胡蝶の夢

アクセスカウンタ

zoom RSS 徒然の記〈色は匂へど 散りぬるを〉

<<   作成日時 : 2016/05/31 11:21   >>

ナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 2

画像

       美服して 牡丹に媚びる心あり (正岡子規)

 深緑の候。汗ばむ陽射しが見え隠れしながら、季節はから初夏へ。
 今年もが映える時期になりました。
 それにしても・・ね〜。今回は、前回から「ゲッ、もう一カ月経っちゃったの?」というスピード感で、めまぐるしく通り過ぎて行っちゃって・・
 いつものように、どっぷり日々の波長に埋没する暇が無かったような、有ったような―。(どっちなのよ・・という)
 これって多分、この半月ほどの間に、怒涛の如く(大小取り混ぜて)様々なニュースが押し寄せてきたからかもね。
 中でも、まだ終わってホヤホヤの瑞々しいニュース、G7の首脳が一堂に会した<伊勢・志摩サミット>などは―
 開催地でもある地元の人々は勿論のこと、日本中が緊張感と高揚感に包まれて、ドラマチックな政治の大舞台を見守っていました。
 世界のあちこちでテロリストが暗躍している時代ですからね。
 たった二日間と言え、最後の最後まで「何事もありませんように」と、固唾をのんで見守っていたでしょう。
 思えば・・今回のサミットは、日本で開催されるのは8年ぶり。全体をまとめるホスト役は安倍総理ということで、ここ暫らくはサミットがらみの話題で持ちきりでした。
 しかも、サミット直前には、沖縄県<米軍属による死体遺棄容疑事件>が発生し、アメリカに対する風当たりも強い最中のこと。かつてない厳戒態勢の中で開催されたわけですが―
 すべてが滞りなく終わった今では、日本中の人々がホッとしていることでしょう。(勿論、な〜んも関係ない私もですが)

画像


 また、厳戒態勢といえば・・サミット終了直後に実現したオバマ大統領<広島訪問と原爆慰霊碑に献花>という、こちらもまた歴史的なニュース。
 5月27日の夕方は、物々しい厳戒態勢の中で、オスプレイに護られながらヘリコプターで広島に向かう大統領の様子や、おびただしい数の専用車で平和公園に向かう様子。
 また、戦後初めて、アメリカの大統領と、日本の総理大臣慰霊碑の前に立ち、「核のない世界へ」とスピーチし、オバマ大統領が被爆者と抱き合う感動的な一幕もありました。
 あの日は、オバマ大統領の動きの一部始終が映し出され、テレビ画面からもピリピリした緊張感が伝わってきました。
 号外まで出たこのニュース、広島市民、被爆者のみならず、日本中が・・いえ、世界中が注視した、まさに歴史的な映像になりました。
 無事に終わって、良かったですね。重ね重ね―。
 
 ところで、ポストオバマって・・もしかしてトランプ氏になるの?(これも関係ないけど)


画像



画像
画像




 で、こちらは、東京都民にとっては、聞けば聞くほど腹立たしくなるお話。
 舛添東京都知事の、<公私混同疑惑><政治資金不正疑惑問題>です。
 そもそもの発信元は、今回もセンテンス・スプリング(文春ネ)ということですが、次々と疑惑が露見し、日を追うごとに新たな火種が見つかり、収まる気配がありません。
 どうやらご本人は、「第三者の眼で厳しく精査してもらう」として、二人の元検事の弁護士に依頼したそうですが・・
 巷では、もっぱら、権力の座(小国の大統領並みのネ)を保持するための「延命戦略」との批判が殺到。しかも追求されるのは、道義的な部分のみで、法律的にはセーフなのだそうです。
 まあ・・ね。今は参院選を控えているし、4年後には<東京オリンピック>もありますし・・辞めるに辞められないっていうのが、ホンネなんでしょうね。
 東京都民になってほぼ40年。これまで美濃部亮吉氏、鈴木俊一氏、青島幸男氏、石原慎太郎氏と続き、都知事失墜の危機に至ったのは、猪瀬直樹前都知事に続いて、舛添要一氏で二人目です。
 それにしても、今後の成り行きが気になるところです。


画像


 話は一転して、ミーハーの視点からね。
 今回のサミットに参加したカナダトルドー首相って、噂どおりのイケメンですね。
 サミットなんかにはまるで関心のない我が家の娘でさえ、期間中は「サミット、サミット♪と大騒ぎ。
 44歳という若さも然ることながら、ハリウッド俳優も真っ青の端正な顔立ちと肉体美。うっとりするような笑顔とラフな服装で、夫人同伴で早めに来日し、自腹で「結婚記念日」を楽しんだそうです。
 舛添さん、見習ってくださいね。


画像




 さて、今回読んだ本は、発刊ホヤホヤ(平成28年・5月1日)の『村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン(村上春樹著・新潮文庫)という、エッセイ集です。
 小説ではないので、どのページから読んでもOK。一息つきたい時に読むとホッとする、癒し系のエッセイです。
 因みに、「3」というからには、すでに「1」と「2」は発刊済みということで―
 なんでも元々は、女性向け雑誌<アンアン>の連載エッセイ『村上ラヂオ』のために書かれたもので、一年間掲載されたものを集めると、自動的に一冊の本が出来上がるのだそうです。
 で、これがシリーズの第3弾。従って、対象者が若い女性ということもあり、気軽なタッチでスイスイ読めちゃいます。
 日々のちょっとした「想い」や「妄想」を、著者らしい独自の切り口でクローズアップ。共感するところ、笑いを誘うところも多数ありました。
 いつもながらのリズミカルな文体、ウイットに富んだ簡潔な文章、思わず笑ってしまうエピソードが満載。一章ごとに添えられている大橋歩氏のイラストも、更なる癒しをプラスしてくれています。
 何よりも有難いのは、難解なところがないので、構えて読む必要がないところね。

日々の暮らしの中で体験した愉快な話から、人生の深淵に触れる不思議なエピソードまで、小説家の頭の中の抽斗には、話題がいっぱい! 「どうして寝る前に限ってネタを思いつくんでしょうね?」と悩みつつ、つぎつぎ繰り出されるユーモア溢れるエッセイ52編。大橋歩さんのおしゃれな銅版画も楽しい人気エッセイ・シリーズ第3弾。『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』改題。(裏表紙・解説より)

 ということで、それぞれの章の巻末には「今週の村上」というコーナーがあり、香辛料みたいな補足?が1〜2行ついているところなど、面白さも100倍なのです、
 例えば、こんな風に・・ね。

今週の村上 「高田馬場」と「裸のばばあ」ってわりに聞き違えやすいですよね。そんなことないのかな? 
 とか、
今週の村上 ティム・ロスとハーヴェイ・カイテルとロバート・デニーロが共演する映画ってあったっけ?あったらけっこう濃そうですね。
 とか、
今週の村上 肉食系女子とか草食系男子とかはあるけど、魚食系おばさんとかはないんですかね。
 とか、
今週の村上 京都三十三間堂に、田中マーくんにそっくりの像があります。鼓を持っている。ボールだといいのに。
 とか、
今週の村上 「♪本を売るならブックオフ」というメロディーが耳から離れない。なんとかしてほしい。
 な〜んてね。

 そもそも、私の中での「村上春樹」って、以前から(どの作品がどうってことではないけれど)時に好きになったり、そうでもなかったり、、親近感を持ったり、遠くに感じたり・・不可解な存在の作家でもあるわけですが―
 今回のエッセイ集の中の「村上春樹」は、かつて読んだ『1Q84』とか、『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅』のような、複雑怪奇な村上ワールドを描く作家とは別の、「人間村上春樹」です。
 つまり、ベジタリアンで、ネコ好きで、話下手で、電話嫌いで、人前に出ることが苦手な皮肉屋さんで・・みたいなね。
 そう言えば、読みながら面白いページにティッシュを挟んでいったら、本がプクプクに膨らんじゃいました。
 中でも、【とりあえず小説を書いているけど】という章に、小説家というのは、けっこう面倒臭いもので、作家同士のつき合いは「あまりない」とした上で、「今週の村上」というコーナーに、偶然にも、前回、前々回と取りあげた作家さんの名前があり、「そういえばカズオ・イシグロさんは、とても好感の持てる作家さんでした」とあったので、なぜかとても嬉しくなりました。
 また、共感という点では―
 著者は、基本的には楽観的な性格で、潔い開き直りの精神と、「まあいいじゃん、何とかなるさ」という世界観のもとで生きていると書いています。
 かくいうワタクシメも、自慢じゃないけど、ここ何年かは(少なくとも10年以上)、基本、「まあいいじゃん」的ライフスタイルで生きています。
 時々、あまりにもノー天気(楽観的)すぎて、不安になることもありますが、ここまで来たら、もう開き直るしかありません。
 従って、この部分でも「ヒヤヒヤ」と(賛成って意味ネ)、素直に共感出来ました。
 先ほど、「村上春樹」という作家について、不可解な存在と書きましたが、今回は、ぐぐっと近くなったような気がしました。勝手なものですね。


画像


画像



画像





 ところで、ちょっと前になりますが(何しろ月刊級のブログなので)、、ゴールデンウイークの最中、 『パリ・テキサス』(1984年・西独・仏・ヴィム・ヴェンダース監督)という映画をやっていました。
 一見ありふれたロード・ムービーですが、これが、観始めたら最後まで画像に釘付けになっちゃう、とても美しい作品でした。
 ストーリーとしては、4年前に妻子を捨てて失踪し、記憶を失ってテキサスを放浪していた男の、妻子との再会、別れを描いたもので―
 テキサスの砂漠で行き倒れていた兄トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)を、レンタカーで迎えに来た弟のウォルト(ディーン・ストックウェル)との再会から始まり、心を閉ざすトラヴィスを説得するウォルトとのギクシャクした会話。
 やがて、徐々に本心を打ち明けるようになり、ウォルト夫婦が、自分たちに代わって育ててくれている息子のハンター(ハンター・カーソン)に会うためにロサンゼルスへと向かいます。
 そしてハンターとの再会を果たしたトラヴィスは、中古車を買い、ハンターと共にヒューストンへ向かい、妻ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)と再会することになりますが・・・
 なんと言っても見どころは、ジェーンとの再会シーン。
 面と向かって話が出来ないトラヴィスが選んだのは、ジェーンが働くいかがわしい場所で、一方しか見えないマジックミラー越しに、電話で愛を告白することでした。
 それにしても、ジェーンの美しいこと!
 幼いハンターの愛らしいこと!
 映画の素晴らしさを気づかせてくれる、印象深い映画でした。

画像


画像


画像


 一方、まったく違う角度?で面白かったのが、先日お借りしたDVDの中にあった『パンツの穴』(1984年・鈴木則文監督)という映画ね。
 タイトルがタイトルなので、品格を重んじるワタクシメとしては、かなり覚悟して観たのですが―
 思ったほど「やらしい〜」ってこともなく、ほどほどに愉しめたのが意外でした。
 話の流れとしては、博多から東京に転校してきた高校生(山本陽一)が、ほんわかと恋をして失恋するまでをカラッと描いた青春グラフィティで―
 早熟少年の、ちょっとエッチな下半身体験や、思春期特有の不安や迷走を、悲喜こもごもを、漫画チックに描いた青春 コメディーです。
 妄想と、ピチピチ、ムレムレの若さがいっぱい。
 本作は今からもう30年以上前の映画ということで―
 最近は、多方面で活躍している元アイドル菊池桃子のデビュー作としても有名なのだそうです。
 もっとも、産婦人科の娘で、清純な美少女を演じている菊池桃子以外は、ほぼ無名の少年・少女ばかり。一方、大人のキャスティングのほうは、豊富な取り合わせです。
 突然上空にUFOが現れて、武田鉄矢の声が聞こえてきたりしてね。
 本作以降、第二弾、第三弾とシリーズ化したそうですが、思春期の頃の思い出って、時代が代わっても、基本変りませんものね。
 そうして、そういった意味では、本作は「元祖パンツの穴 」ということで、すでに名作の域に達しているのかもしれません。
 それにしても、最近は、古い映画も、画像が美しくなりましたね。


画像


画像


 そうそう、ずっと以前、(今からもう6年ほど前)、当ブログで直木賞受賞作品の、『小さいおうち』中島京子著)という本ををご紹介したことがありましたが―
 つい先日、これを映画化した同名の『小さいおうち』(2014年・日本・監督・山田洋次)というDVDを観ました。
 昭和初期から戦時中、戦後と、ある家で女中をしていたタキ(若い頃を黒木華・晩年期を賠償千恵子)と言う女性の回想録を元に、彼女の大甥にあたる健史妻夫木聡)が、そこに(回想録)に登場する人物のその後を追うというもので―
 憧れていた東京郊外の、「赤い三角屋根の小さいおうち」に住んでいた平井家のことを顧みながら、ある密やかな恋愛について回想する物語です。
 問題の平井夫人・・つまり、タキの憧れの的でもあった美人で、優しくて、聡明な、時子松たか子)の恋愛対象は、夫(片岡秀太郎)が常務を務める玩具会社のデザイナー・板倉(吉岡秀隆)でしたが、その板倉に縁談話が・・その板倉が実は・・
 というもので、少々ドロドロはしていますが、穏やかだった昭和初期から、次第に戦況が悪化していく戦中、また、混沌としていた戦後の中流家庭の様子が、良く分かります。
 そう言えば、今から6年前、<昭和モダンの恋>と題してご紹介しましたが、映画もやっぱり昭和モダンっぽくて、きれいにまとまった正統派の映画でした。

画像


画像


 さて、そうこうするうちに5月も終わり。
 冒頭でも書きましたように、そろそろ鬱陶しい梅雨の季節に入ります。
 それにつけても・・この時季になると、いつも思うことは――
 どんなに雨が降っても、曇天でも、周囲がくすんでいても、凛として自らの色を装い、艶(あで)やかに自己主張するの花って・・エライではないかと―。
 人間、誰しも歳をとり、老いて萎(しな)びて行くものです。ふ〜〜。(ため息ネ)
 そうして、老いるという事は、悔しいけれど、決してビジュアル的に美しいものではありません。
 つまり、どう足掻いても、「劣化」の一途をたどるばかりってことね。(人工的な処置を施さない限り)
 分かってはいるのですが、時々、自分の立ち位置を忘れることがあります。
 高齢者?ん?誰のこと?老人?誰のこと?――と。
 なぜならば、私自身は、二十歳の頃とまったく変わっていないので。(中身だけはネ)
 で、ハタと我に返り、「いかん、いかん」と覚醒するわけですが―
 まあ・・ね。歳をとるのは(生物の掟なので)仕方がないとしても、人間は、特に女性は、歳を重ねるにつれて「華やかさ」を装うべきではないか?と―。
 あれは先月でしたか・・イギリス「エリザベス女王」90歳になられたということで、(パレードやら何やらで)度々テレビに映し出されていましたが―
 カラフルなファッションや、きらびやかな宝飾品、茶目っ気たっぷりの女王の表情を見ていると、こちらまで気分が明るくなりました。
 日本とは真逆ですが、聞くところによると、だからと言って、決して贅沢をしているのではなくて、王室のファッションにかける費用は、きわめて切りつめているそうです。
 余所(よそ)んちのことながら、カラフルでチャーミングな「エリザベス女王」を見るたびに、秘かに羨ましく、そして痛快な気分になります。
 
 年齢を重ねるごとに増すとしての艶(あで)やかさ、華やかさ、遊び心
 無駄な抵抗かもしれないけど、近年、とみに心に響く希望的美学です。
 


 
画像


画像
画像

画像





画像


『昭和モダンの恋』






人気ブログランキングへ


 



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
女王陛下は、いたく中国の外交使節団の「無礼」な振る舞いにオカンムリだったようですが、大英帝国の君主として、本当に存在感のある方だと思います。
上手に齢を取るのは、難しいことですね。
ダダさん
2016/05/31 19:03
ダダさん、こんにちは。
そうですね〜。あのニュースは私も見ましたが、なんだか胸がすくような気がしました。
おっしゃるように、君主としての存在感と、なによりも自然体で生きている「人間臭さ」が魅力の女王のようにお見受けします。

上手に歳を取ること。
人間としては、永遠のテーマですね。
夢子
2016/06/01 10:37

コメントする help

ニックネーム
本 文
徒然の記〈色は匂へど 散りぬるを〉 胡蝶の夢/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる