胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈夢☆愛と感動の方程式〉

<<   作成日時 : 2016/08/30 16:00   >>

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      散る花火 水動けども静なり (芥川龍之介)

        残暑お見舞い申し上げます。

 晩夏とはいえ、まだまだ蒸し暑い日が続いています。
 台風シーズンでもあり、東京は、このところずっと不安定な空模様。ぐずついたモヤモヤ感に包まれています。
 それにしても、北海道では一週間のうちに3回もの<トリプル台風>が襲来したそうだし、関東でも、一度上陸した台風10号が、どこやらで力を補給して再上陸するというブーメラン台風>なんかもあったりしたし・・相変わらずの異常気象。その上、局地的に豪雨が降ったり、ダムが渇水状態になったりと、よく分からない状態が続いています。
 地球温暖化も、深刻化する一方です。
 昔は、台風といえばに来るものと思っていたのに・・
 季節の移り変わりも、少しずつ変化しているんでしょうね。
 
  さて、今月は色々な事があり過ぎて、あれから(前回からネ)1か月が過ぎたけというのに、何だか随分経ってしまったような・・不思議な感覚です。
 改めて振り返ってみますれば―
 先ず東京は、白熱していた東京都知事選では、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏を抑えて<小池百合子氏>が圧勝。初の女性都知事が誕生しました。
 また、今年も<原爆の日>(8月6日・9日)、<終戦記念>(8月15日)を迎え、様々な行事や式典がありまた。
 スポーツ嫌いの我が家ですが、いつもなら、そこそこ熱くなり、ターゲットを決めて応援するはずの<夏の高校野球>(8月7日〜)も、今年に限っては、一向に観戦意欲が湧かないまま、いつの間にか終わっちゃいました。
 そうそう、<天皇陛下・生前退位>に関するお気持ちの表明など、衝撃的な話題もありましたが―
 ミーハー族には無視できない、国民的アイドル<スマップ解散騒動>の再来とか―
 新しいところでは、強姦罪で逮捕された某タレントの母親、某女優さんの<謝罪会見>とか―
 
 ま、色々ありましたが、何としても大きな出来事としては―
 4年後に<東京オリンピック>を控えているせいでしょうか、日本全体が、いつものオリンピックより活気づいた<リオ・オリンピック>(8月5日〜21日)がありました。
 
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 で、そんな空気に煽られて、我が家でも、「開会式」から「閉会式」まで、深夜、朝、そして昼間の「録画タイム」と、せっせと観ることになりました。(なにしろ、すぐムードに染まるので)
 今回は、開催国が地球の裏側の<リオデジャネイロということで、開催前から何かと危ぶまれていましたが―
 終わってみれば大きな事件・事故もなく、概して好評のうちに幕を閉じたようです。
 ま、プールの水が、一夜にしてからへ?な〜んて怪現象もありましたけどね。
 日本人としては、特に印象深かったのは、<閉会式>(8月21日)で、次回開催予定とされている<東京オリンピック>に向けてのプレゼンテーションでは、和服姿の小池都知事のフラッグ・ハンド・セレモニー(引き継ぎ式)や、「スーパーマリオ」に扮した安倍総理の日本アピールの演出・音楽・パフォーマンスなど、世界でも大きな話題になりました。


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 また、今回の<リオ・オリンピック>では、競技のほうも見どころ満載で、結果的には日本人の選手は大健闘。
 メダル獲得数も、合わせて41個世界第6位。史上最多を更新したそうです。
 そんな中で、メダリストたちが帰国後は、それぞれの表情やインタビューを聞いていると、決して有頂天にはなっておらず、既に先(2020年)を見ているような気がして、他人事ながら嬉しくなりました。
 未来。夢。活力。健全な心身。澄んだ目力。キラキラしている人・・
 生きるための「栄養剤」になります。

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 さて、「本」のお話になりますが―
 当ブログでも度々取りあげている作家、「中村文則」と言えば、このところめきめき頭角を現してきた若手芥川賞作家です。
 まだ30代の若い作家で、25歳でデビュー以来、新潮新人賞、野間文芸賞など国内外の文学賞を多数受賞している、今まさに「旬」と言っても良い作家かもしれません。
 で、彼の作品に関しては、前々回でも2度目となる『何もかも憂鬱な夜に』という作品をご紹介したばかりですが―
 第3弾として、更にエンターテイメント性が加わった『掏摸(スリ)』 (河出文庫)という小説のお話です。 
 因みに、本書は2010年に<大江健三郎賞>を受賞。同作の英訳版では<ベスト10小説>に選ばれたほか、数々の海外の賞を受賞した話題作です。
 前回も申しましたが、彼の作品の根底にあるのは、不条理とか悪、運命をテーマにしたものばかり。従って、全体にドス黒〜い、淀み感に彩られているのが特徴です。

東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。
大江健三郎賞を受賞し、各国で翻訳されたベストセラーが文庫化!(裏表紙・解説)


 まだ僕が小さかった頃、行為の途中、よく失敗をした。・・・

 という冒頭部分から始まり、主人公のが、子供の頃から「スリ」という行為に手を染め、図らずも反社会(悪事の世界)へと引きずり込まれて行く「天才スリ師」に課せられた苦悩?を描いたサスペンス調の小説です。

 裕福な人の懐から財布を盗み、貧しい人々に還元するという、まあ言ってみれば“ネズミ小僧的”発想のスリ師のが、ある日、木崎という悪人に出会ってから、闇の世界に巻き込まれ、殺人事件にまで発展します。
 運命という逃れられない領域の中で、苦痛快感という、相反する(対極的な)甘美な刺激を、人はどう使い分けるべきか?
 巻末の、著者自身の「解説にかえて」によると―
 本書の核になっているのは、「第16章」の白昼夢のような幻覚だそうです。
 小さい頃よく見た「塔」の存在と、罪の意識も感じぬま万引きや盗みを繰り返した記憶の中で、他人の所有物に手を伸ばす時、その快感と緊張の中で、自分が自由になれることを知ったこと。
 と同時に、肯定も否定もすることなく、ただ立っているだけの「塔」が、盗めば盗むほど遠ざかり、いつしか消えていた事実を知った時、果たして「僕」にとってその「塔」は何だったのか?
      
        悪に染まりたいなら、善を忘れないこと。
 
 光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい。(本文より抜粋)

 著者らしい文学的視点と、絶対悪の快楽に惹かれてゆく主人公苦悩と、ハードボイルド風の面白さが加わり、意外と重苦しさを感じない作品でした。




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 また、映像のほうは―
今回は季節柄、前半は戦争にまつわる番組が多く見られ、映画のほうも、やっぱり戦争にまつわる作品が多かったような気がします。
 従って、毎年のことながら、色々な意味で戦争とか、平和について考えさせられることになりましたが―
 その間に観た映画を思い出してみると、『8月の狂曲詩(ラプソディー)』(1991年・日本)、 『紙屋悦子の青春』(2006年・日本)、『戦場のメリークリスマス』(1983年・日・英・・豪・ニュージーランド合作)、『終戦のエンペラー』(2012年・米)など、どれも戦争にまつわる映画でした。

 極々端折(はしょ)ってご紹介しちゃいますと―
 『8月の狂曲詩(ラプソディー)』は、原爆体験をした長崎の祖母と、4人の孫たちのひと夏の交流の中で、さりげなく反核を訴える黒澤明監督の作品。
 もっとも、「反核を訴える」などというと、何やら政治色に塗られた映画のようですが―
 そこはホラ、商業映画の巨匠、芸術性を重んじる天下の巨匠「黒澤明監督」のことです。
 随所に独特の芸術性や、ユーモラスな笑い、ハワイに住む甥役にリチャード・ギアが出演したり―
 クライマックスのラストシーンでは、シューベルトの「野ばら」のBGMと、豪雨の中を逃げ惑う祖母と、追いかける孫たちの、一見コミカルだけれど、この上なく哀しい情景など、黒澤明監督ならではの技量を感じる映画でした。


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 また、『紙屋悦子の青春』は―
 終戦間際の鹿児島が舞台。両親を亡くし、兄夫婦(小林薫・本上まなみ)と暮らす悦子(原田知世)の縁談と、彼女の秘かな恋心を描いた作品で、平和反戦を訴えてきた黒木和雄監督の遺作だそうです。
 戦時下の昭和20年。兄夫婦とつましく暮らす悦子に、ある日、兄の後輩、海軍航空隊の永与少尉(永瀬正敏)との縁談の話が持ちあがりますが―
 悦子が秘かに想いを寄せるのは、彼の親友明石少尉(松岡俊介)のほうでした。・・
 というもので、三人の男女の友情と、近く特攻隊として出撃する事が決まっている明石の、悦子への想いやりを描いた、しっとりとした優しさが滲み出ている映画でした。
 アップの画面がないせいか、まるで舞台劇を観ているような遠近感の、ちょっと変わった映画です。


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 そして、何度も観ているけれど、また観てしまった『戦場のメリークリスマス』は――
 1942年、原作者(ローレンス・ヴァン・デル・ポスト)自身が、当時日本の統治下にあったジャワ島の「日本軍捕虜収容所」での体験を、大島渚監督が映画化したものです。
 粗暴な日本人軍曹(ビートたけし)と、英国陸軍中佐(トム・コンティ)との国籍を超えての友情。
 所長の陸軍大尉(坂本龍一)と、輸送隊を襲撃し、捕虜となった陸軍少佐(デヴィッド・ボウイ)との男同士の愛情。
 戦争の悲惨さ、非情さ、不条理さを描きながら、人間としての魂の触れ合いみたいなものを描いています。
 出演者は全員男性。「同性愛」という、大島作品に底流する「異常状況の中で形作られる高雅な性愛」というテーマを孕んだ異色の作品です。
 作品のすべてを集約しているのは、何といっても、ラストシーンでビート・たけしがはにかみながら言う「メリークリスマス!」というセリフに尽きるかも・・。
 それにしてもこの映画、33年も前の映画なんですね〜。何度も観ているのは当然でした。

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 また、比較的新しい『終戦のエンペラー』は、2012年アメリカ合衆国で創られた歴史映画です。
 第二次世界大戦終戦直後の「連合国軍」占領下の日本を舞台に、昭和天皇が、いかにして戦犯として裁かれることを回避したかという史実を基にして、フィクションを交えながら描いた作品だそうです。
 資料によると、主な撮影は、ニュージーランドで行なわれたそうですが、日本国内でのロケも行われ、商業映画としては、初めて皇居敷地内での撮影も許可されたそうです。
 当時の事は、教科書や本、映画でぐらいでしか知識がないので、「マッカーサー」や、「東条英機」「近衛文麿」といった歴史上の人物が、実写を交えて出てくるなどして、お勉強にもなり、リアリティーに溢れた映画でした。

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 以上4本。それぞれの作品で、不条理な戦争によって、いかに多くの人々の人生が左右されたか、歴史が変ったか、考えさせられました。



 そんなこんなで――
 冒頭でも触れましたように、今回は<リオ・オリンピック>という大イベントがあり、ちょうどその間、娘の「夏休み」と重なったりして、何やかやと、外野席から好き勝手なことを言っていました。
 例えば、しょっぱなの<開会式>を観ながら、華やかで、カラフルで、遊び心に溢れている世界各国のユニホームの中で、何の趣向もない日本選手団の野暮ったさを嘆きつつ―
「日本人らしいって言えばそれまでだけど、発想が真面目すぎるのよね〜〜」
「同じ赤と白でも、草間弥生のデザインなんか面白いのにね」などと―。
 また、最強の<ジャマイカ陣>と競って、堂々の銀メタルを獲得した<男子400メートルリレーでは、格好良すぎる山県、飯塚、桐生、ケンブリッジ・飛鳥の4選手の活躍に大喝采。「やった、やった」と歓びました。
 で、ふと何気に、4年前の<ロンドン・オリンピックの時は・・?と思い出そうとしたら、さっぱり記憶にないので、当時のブログを調べてみたら・・
 ありました。4年前のちょうどこの時期、『戦いすんで日が暮れて』というタイトルの記事の中で、その<ロンドン・オリンピック>のことを取り上げていました。。
 読んでみると、今回とは、かなり体感温度?が違いますが・・
 善くも悪くも全然変わっていないこと。基本、大勢も、信条も「進歩がない」ことが判明しました。しみじみ・・



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 余談になりますが―
 つい先日、今年も某テレビ局で恒例の「24時間テレビ」をやっていました。
 我が家では、もうずっと以前から、(なにやら気持ち悪くて)「偽善番組」と称してスルーしていますが、世の中には、なんと慈愛に満ちた、善い人達が多いのだろうと思う一方で、果たして障害者難病を抱えた人が、実際同情や、感動秘話を求めているのだろうか?と、ずっと疑問に思っていました。
 ところが・・です。タイムリーなことに、ちょうどその日(8月27日)のネットのニュース欄に、<NHKが日テレ「24時間テレビ」に殴り込みか?>として、フィナーレの時間に「笑いは地球を救う」と銘打った生番組を予定していると書いてありました。
「へ〜〜」と、俄然興味が湧きました。 
 番組自体は見そこねましたが、翌日、こんな記事を目にしました。
 記事を読んで、我が家だけではなかったんだと溜飲が下がりました。
 が、同時にまた、本家の「24時間テレビ」のほうの瞬間視聴率は、な、なんと35・5%とかで、チャリティーの募金のほうも、優に2億円を超えたそうですから、オドロキです。
 どうやら我が家は、やっぱり世間一般の視点からは、少々ズレているのかもしれません。


 さて、8月も明日で終わり。
 暑さもピークを過ぎ、の気配もチラホラ。
 日々遠退いて行く真夏の喧騒から、
 今年も少しずつ人恋しいゾーンへと移動中の気配もします―。







『何もかも憂鬱な夜に』

『戦いすんで日が暮れて』

<NHK>「障害者を感動話に」方程式批判






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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
人間と云う者は、自分よりも少しでも「下位」に誰かが存在することで安心を得るものなのかも知れません。
かつて、同じ趣旨の書き込みをしたような気がします。
ダダさん
2016/08/31 09:30
ダダさん、こんにちは。
そうかもしれませんね。
そう言えば今朝、何かの番組で、NHKで「子供の貧困」についてスピーチした女子高生に、批判が殺到しているという話をしていましたが・・
同情も、批判も、ある意味紙一重なのかもしれませんね。
夢子
2016/08/31 12:08

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