胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈観客席の片隅で〉

<<   作成日時 : 2016/12/30 09:27   >>

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    白露や 茨(いばら)の刺にひとつづつ (蕪村)

 モード本番。2016年もいよいよ押し詰まり、今年も順繰り、順繰り、過ぎ行く月日の色を追っているうちに、またしても「師走」が・・。
 早いものです。一年なんて、あっと言う間ですね。
 そうして、今年もまた<焼き捨てて 日記の灰のこれだけか>という句(山頭火)が、チクリと胸を突き刺す年の暮れです。
 衰退感が募るばかりで、生きている“糧”が見つかりません。 
 軽いけれど重いような、重いけれど軽いような・・相変わらず自己愛だけで生き抜いた一年でした。
 人生のサイクルが、加速しています。チッ!(失礼)

 それにしても、この12月は、ロシア<プーチン大統領来日>(12月15日)という、大きなニュースがありました。
 聞くところによると「日ソ共同宣言」から60年、懸案だった<北方領土問題>や、<平和条約締結>などについて、安倍総理の地元、山口県長門市<首脳会談>を行うというものでしたが――
 映画『007』ジェームス・ボンドさながらのルックスや、マッチョぶりも然ることながら、「柔道」愛好家としても、秋田犬「ユメ」を飼っている親日家としても知られているのは周知の通り。
 あれやこれやで謎も多く、国際的にも多大な影響力を持つ大統領とあって――
 そのプーチン氏が、ついに「空飛ぶクレムリン」で訪日ということで、厳戒態勢のもと、日本中が注目することになりました。
 その結果、大きな進展もないまま、さっさと帰路につきましたが・・何事もなかったことが、大きな成果。来日に際しては、度々の「遅刻」が話題になったりもしていましたが――
 ロシア側の、あのセキュリティーの物々しさを目の当たりにしてみると、もしかしたら、「遅刻」もテロ対策の一環で、「目くらまし」だったのかも・・などと、ふと思ったりもして―。
 肝心な事は、首脳同士の「信頼関係の構築」ってことのようです。


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 そうそう、「外交」ってことでは――
 最も新しい話題として、<安倍総理の真珠湾訪問>(12月28日)でしょうか。
 聞くところによると、こちらも75年の歳月を経て、旧日本軍による<真珠湾攻撃>の犠牲者を慰霊するということで、任期の迫るオバマ大統領との最後の「首脳会談」になるそうです。
 長い、長い歳月を経た末の不戦の誓い。平和の誓い。和解の力オタガイノタメニ・・
 なにはともあれ、嬉しい、ホットなニュースでした。


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 また、国外の話題としては、異常なほどヒートアップしていた<韓国朴大統領弾劾問題も、ここに来てなぜか急に下火になり、あの騒動は、一体なんだったのかと、不思議に思う今日この頃です。
 ま、余所(よそ)様の国の事ですから「どうでもいい」ようなものではありますが――
 安全保障面から見ても、経済面から見ても、早く安定した国に、再起して欲しいものです。

 ところで、国内では12月ともなると、一年の世相を象徴する<新語・流行語大賞>なるものが話題になります。
 今年は、「神ってる」という言葉や、<漢字一文字>としては3回目ともなる「金」という文字が決まったそうですが――
 私個人としては、少々不本意な結果になりました。
 何故ならば、前回も申しましたように、今年(2016年)に限っては、特に、びっくりマーク(!!!)に相当する話題ばかりだったからです。
 従って、漢字一文字で表わすと、概ね「驚」ということになります。視点の違い・・でしょうか。


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 そうそう、これも「驚」の一つですが――
 先日の<新潟・糸魚川市大火災>(12月23日)にしても・・
 なにしろ、発火してから鎮火するまで30時間以上かかり、140棟余りが延焼。しかも、被害 が及んだ地域は、約4万平方メートルというのですから、尋常な火災ではありません。
 原因は、中華料理屋さんの「鍋の空炊き」だったそうですが、運悪く、その日は強風で、しかも空気が乾燥していたことによるフェーン現象が、被害を拡大したそうです。
 この年の瀬になって、住む家を失った被災者の方々に対しては、唯々「お気の毒」と想うばかりです。

 遠い昔(19歳の時)、我が家も隣家からの出火で全焼したことがありましたっけ―。
 アレもコレ。コレもソレ。生きている限り、世の中には、天災あり、人災あり、後ろからバッサリ闇討ち!なんてこともあったりして・・幾多の災難に遭遇するものです。ふ〜〜。



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 さて今回は、村上春樹の・・じゃなくて、村上春樹編集、翻訳したアンソロジー、恋しくて Ten SeLected Love Stories』(中央公論文庫)という本を読みました。
 著者自身が好きな海外の「ラブストーリー」を、セレクトして、翻訳した作品集です。
 ちょっとレトロチックな、竹久夢二「黒船屋」を採用している表紙が、甘くノスタルジックな香りを添えています。

初心者の震えも、上級者の迷いも、「恋する心」に変りはありません。―――村上春樹がセレクトして訳した海外作家のラブ・ストーリーに、本書のための自作の短篇集「恋するザムザ」を加えた全十編を収録。素朴な恋愛物語、屈折した恋愛・・・一粒一粒がこんなにもカラフル。とりどりの味わいを楽しむアンソロジー。(★の数で作品のテイストを訳者が判定。恋愛甘苦度表示付き) (裏表紙解説より)


 従って、作品の中身は、9人の海外の作家による様々な「愛の形」と、10人目として、編者自身(村上春樹)が書き下ろした短編も含まれています。

               目次
   *愛し合う二人に代わって・・・・マイリー・メロイ
   *テレサ・・・・・・・・・・・・デヴィッド・クレーンズ
   *二人の少年と、一人の少女・・・トパイアス・ウルフ
   *甘い夢を・・・・・・・・・・・ペーター・シュタム
   *L・デバードとアリエット――愛の物語・・ローレン・グロフ
   *薄暗い運命・・・・・・・・・・リュドミラ・ぺトルシェフスカヤ
   *ジャック・ランダ・ホテル・・・アリス・マンロー
   *恋と水素・・・・・・・・・・・ジム・シェパード
   *モントリオールの恋・・・・・・リチャード・フォード
   *恋するザムザ・・・・・・・・・村上春樹


 ね?それぞれの作品には、編者(村上春樹)の意図的なセレクト色があり――
 超ショートのものから、長めのもの。すらすら読めて、心がホンワカ温まるもの。どことなくホロ苦くて、心にチクリと刺さるものなど・・「ラブストーリー」とは言っても、それぞれが個性的で「格調」の高いアンソロジーばかりです。
 特に読み応えのある作品は、短編小説の名手と言われ、2013年「ノーベル文学賞」を受賞した、御歳85歳のカナダの女流作家、アリス・マンロー『ジャック・ランダ・ホテル』と、リチャード・フォード『モントリオールの恋人』でしょうか。
 いずれの作品も、奥深い「大人の恋愛」が色濃く残り、「う〜ん、どう取るべきか?」と悩み、読み直してしまう・・つまり、どうにでも取れる、難解な作品でした。
 また、訳者(村上春樹)自身による『恋するザムザ』という作品は――
 あのカフカの名作「変身」を下敷きにした、遊び心のあるストーリーになっています。

 <目を覚ましたとき、自分がベッドの上でグレゴール・ザムザに変身していることを彼は発見した。>

 で始まるこの小説、カフカ「変身」の続編と言うか、逆バージョンと言うか――
 要するに、元々は甲虫?だったはずが、朝起きたら人間になっていたというもので、彼が変身したことによって生じる視界の違和感、その身体的な違和感共々、本来持っているはずの生体観とノスタルジー、人間界とのズレ・・みたいなものを描いた愉しい作品です。
 果たして、ザムザが恋したお相手は?
「本質とは何か?」を、可笑しみを込めて描いています。
 翻訳家としての「村上春樹」らしい(海外の作家に引けを取らぬ)作品で、それぞれの短編の最後には、その作品の持つ「恋愛甘苦度」なるものが付いていて、例えば、甘味★★、苦味★★★と言うように表示しているのが、また楽しめます。
 村上春樹ならではの、リズム感のある翻訳の醍醐味共々、色々な作品に出会うことによって、なんだか得をしたような気分になる一冊です。


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 ところで、つい先日、なにげなくテレビのチャンネルを切り替えていたら――
 朝から深刻そうなドキュメンタリー番組を放映していました。
 古そうな白黒の画面なので、??と思って観ていたら――
 どうやらドキュメンタリー番組なんかじゃなくて、今村昌平監督『人間蒸発』(1967年・日本)という映画のようでした。
 現実に失踪した一人の男性の行方を、その婚約者と共に追うというシナリオのもとで、日本全国を歩きながら、その取材過程を16ミリカメラを使って撮っているという――、
 要するに、「ドキュメンタリー番組」っぽい雰囲気で、演技なのか?本当に取材しているのか?役者なのか?素人なのか?その境界線が、はっきりしない、摩訶不思議なATG(アートシアター・ギルド)の作品なのです。
 出ているのは無名の俳優?ばかりで、あまりにもリアリティーがあり過ぎで、何度も「やっぱりホント?」と思いつつも、唯一知っている俳優さん(露口茂)を観ることによって、「でも映画なんだ」と言い聞かせるという、なんとも変わった作品でした。
 また、ラストシーンでは、今村監督自身が登場して、スタッフや出演者を取材し、全員でその経緯と結果に至るまでの「心の変化」などを語り合う場面もあります。
 そう言えば、映画を製作した1960年代って・・
 確かに「蒸発」と言うコトバが流行し、大した動機もないのに、突然消えてしまう人が急増したことを記憶しています。
 当時の時代背景の中で、失踪した一人の男性を追うことによって、彼の過去、その行動、内面まで露顕するうちに、まったく違う、もう一人の男性が浮かび上がってくることの怖さ、虚構と現の狭間をリアルに描いた、社会派の映画でした。


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 そんなこんなで――
 2016年もどん詰まり―。
 世界は、日本は、世の中は・・今年も色々な出来事がありました。
 改めて振り返ってみますれば――
 なにやらこの一年、世俗的には<スマップ解散騒動>で始まって、<スマップ解散騒動>で終わったような、終わらなかったような・・。
 また、一方では、政治家や芸能人の<不倫騒動>で明け暮れ、センテンス・スプリング(文春ね)、ゲス不倫ポケモンGOな〜んてコトバまで流行ったりして、やたらめったら<謝罪会見>のシーンがありましたっけ。
 しかも、元プロ野球選手の<覚醒剤所持現行犯逮捕>、元女優でナンチャラの<大麻草栽培・吸引疑惑>、元若手イケメン俳優の<コカイン吸引疑惑>などの、混沌としたニュースだらけ。
 そうそう、8月には、いつもより更に活気づいた<リオ・オリンピック>などもありました。


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 一方、曲がりなりにも(別に曲がってはいないけど)東京都民の一人としては、なんといっても、一連の公私混同問題<舛添前都知事の辞任>(6月)という、予想外の出来事があり、それに伴なう都知事選で異端の姿勢を貫いた<小池新都知事の誕生!>(7月)という、これも予想外の結果になりました。
 以来、都民ファースト、情報公開、透明性を掲げ、都連との確執など連日のように第2幕、第3幕・・と「小池劇場」が続いているわけですが――
 冒頭でも述べましたように、<都知事選>のみならず、<イギリスのEU離脱!>(6月)にしても、米次期大統領選に富豪の<トランプ氏が当選!>(11月)にしても、個人的には「仰天ニュース!!!」ばかり。
 国民の一人、都民の一人、観客席の一人としては、かなり面白い・・いえ、見応えのある年でした。
 目に見えない「真実」とは何なのか?・・な〜んてね

   サテ、2017年の幕開けは?

      

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                本年もありがとうございました。
                 良いお年をお迎えください。 









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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
お日様は出ているのですが、寒い朝です。
来年は、どんな年になることやら。
何か一つでも心温まる出来事があって欲しいものですね。
ダダさん
2016/12/30 10:30
ダダさん、今年もありがとうございました。
明日はもう新年!
お互いに、少しでも良い年になればいいですね。
東京も、朝から雲ひとつない青空が広がっています。
でもやっぱり寒いです。冬ですね。
ダダさんも風邪など引かれませんよう、ご健勝にお過ごしくださいませ。
そうして、そうして・・

 来年もまた、宜しくお願いいたします。
夢子
2016/12/31 09:12

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