胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈ひねもすのたり“夏”景色〉

<<   作成日時 : 2017/07/31 10:27  

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       雷の 図にのり過ぎて落ちにけり (漱石)

 盛夏の候。青い空と白い雲。今年も夏バージョン猛暑へとまっしぐら。
 毎年のことながら、要・熱中症!の季節になりました。
 それにしても、梅雨もまだ明けきれない7月に入ってすぐ、<九州北部の集中豪雨>があり、大分県の山間部では河川の氾濫、大規模な土砂崩れが発生。多くの家屋をのみ込み、地元消防団員の命を奪うなど、多大な被害に見舞われました。
 ニュースを見ていたら、自衛隊のヘリコプターで救助された住民が、「異様な地響きとともに、山が動いた」と語っているのを聞いて、その表現の凄さに、改めて恐怖を感じました。
 また、前後して、秋田、新潟、北陸地方でも大雨による大洪水土砂災害が・・
 毎年過激になりつつある自然災害、頻発する局所的な集中豪雨など知るにつけ、じわりじわりと<地球温暖化>の脅威を感じるようになりました。
 東京は、このところ戻り梅雨のような曇天続きで、まだまだ盛夏とは言い難い、中途半端な空模様です。


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 そうそう、これは自然災害ではないけれど、先日、<野良猫に噛まれ、50代の女性死亡>というニュースを見て、「ゲッ。ウ、ウソでしょ?」と、目を疑いましたが、嘘でもなんでもなく、死因は、猫が「マダニ」に感染していたためと知り、びっくり仰天しました。
 動物の感染症が、人間にうつるなんて・・ね。
 また、「マダニ」ばかりではありません。日本でも相次いで発見されている外来生物ヒアリ(火蟻)」の脅威もね。
 こちらは、でも、刺されると体質により重症化したり、稀にショック死することもある殺人蟻だそうですから・・侮(あなど)れません。
 いずれにしても、安穏としていられない世の中になりました。
 世界規模。地球規模。何事も<グローバル化>するのは良いけれど、思わぬリスクが伴うってことでしょうね。


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 そうして、そうして・・
 100歳を超えても現役医師だった、聖路加病院の名誉院長<日野原重明医師>が、先日、105歳で亡くなりました。
 明治生まれで、医学界のみならず、多方面で業績を遺した「日野原医師」のお姿は、よくテレビなどでお見受けしたものですが・・
 温厚で親しみのある風貌、分かりやすい語り口調は、以前から畏敬の念を抱いて拝見していました。
       改めて ご冥福をお祈りいたします。


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 一方、相変わらずゴタゴタ続きのの国内外の情勢。
 アメリカの<トランプ政権の不協和音>、<安倍内閣支持率急落>、<加計学園問題をめぐる閉会中の審議>、<自民党議員の不倫疑惑>、<防衛省・南スーダン日報隠し>、<稲田防衛大臣辞任>、<民進党・蓮法代表辞任>・・等々。(ふ〜〜)
 そんな中で、挑発し続ける<北朝鮮のミサイル実験>共々、なにやら、このところ国内の政局も慌ただしくなってきました。
 中でも、<安倍政権崩壊>をもくろむ報道(ネガティブキャンペーン?)が熾烈を極め、連日、面白おかしく報道しています。
 ワイドショー化する一方の政治ネタ。怪しげなコメンテーター。世論さえも動かす<巨大メディア>の方向性と、その威力。
 報道の自由と、報道しない自由。そしてそれを受け取る側の距離感。その落差―。最近、妙な違和感を覚えます。
 肝心なのは、真実を見極めること
 健全で、安定した政権の持続。平凡な国民としては、願うばかりです。


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 さて、今回は、湊かなえ著の『豆の下で眠る』(新潮文庫)という本のお話です。
 勿論、エンターテイメントに徹する著者のことですから、本書もドラマ性に富んだ、ミステリアスな内容になっています。
 著者にとっては、初めての週刊誌(週刊新潮)に掲載した連載小説ということで、まるでサスペンスドラマを観ているようなドキドキ感があります。

     お姉ちゃん、あなたは本物なの?

小学校一年生の時、結衣子(ゆいこ)の二歳上の姉・万佑子(まゆこ)が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子(ゆいこ)たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが大学生になった今も微(かす)かな違和感を抱き続けている。――お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽(くずお)れる衝撃の姉妹ミステリー。(裏表紙・解説より)

 物語の主人公は、二人の姉妹――。

妹 安西結衣子(あんざいゆいこ)――大学2年生。小学1年生の時に2歳上の姉が失踪。大きなショックを受ける。2年後に保護され帰宅した姉を迎入れたが、根源的な違和感を覚え続けている。

姉 安西万佑子(あんざいまゆこ)――結衣子の姉。小学3年生の時に誘拐される。その後、発見。保護されたものの、痩せ細り「別人」のようになっていた。

 行方不明になった姉(万佑子)と、突然2年後に保護され帰って来た姉(万佑子)を、13年経った今でも疑心暗鬼で見続ける結衣子の違和感。過去と現在を交錯させながら、結衣子の目線で描いたものです。

               第一章・・・帰郷 
               第二章・・・失踪 
               第三章・・・捜索 
               第四章・・・迷走 
               第五章・・・帰還 
               第六章・・・姉妹


 タイトルの『豆の下で眠る』は、アンデルセンの童話、『えんどう豆の上に眠るお姫様』というお話からヒントを得たもので、、本物とは?真実とは?をテーマにしたもののようです。
 因みに、『えんどう豆の上に眠るお姫様』というのは、ザックリとこんなお話だそうです。 
 
 昔々、“本当のお姫様”をお嫁さんに欲しいと願っている王子様がいました。
 王子様は、世界中を旅して“本当のお姫様”を探しましたが、どのお姫様も、どこかしら本物とは思えないところがあり、王子様はとても悲しく思っていました。
 そんなある晩のこと、大雨でびしょ濡れになった一人のお姫様がお城の門を叩き、自分こそ“本当のお姫様”ですと言うので、歳をとったお妃様は寝室に行き、ベッドの上に一粒のえんどう豆を置き、その上に何枚もの布団を重ねて寝てもらうことにしました。
 翌朝、寝心地を尋ねられたお姫様は、布団の下に何か硬いものがあったことを見抜き、「一晩中眠れませんでした」と応えたので、彼女こそが“本当のお姫様”に違いない、ということになったお話です。

 果たして、13年間抱き続けてきた結衣子の「違和感」とは?
 すべての謎が判明する後半から巻末にかけては、ついついページを捲るスピードも速まってきて――
 読み終わってみれば、「あ〜、そういうことだったのね」と納得する一方で、あまりにも奇想天外な結末過ぎて、「でも、そりゃないでしょ」という、こじつけっぽさ?もチラホラ。
 例えば、行方不明になった万佑子を探す 母親の執念から、結衣子に飼い猫を探すふりをして近所の家の室内に入り込むよう仕向ける場面などは、少々退き気味になりました。
 で、もしかしたら、作者自身は母親の経験がないのでは?と調べてみたら――
 失礼しました。湊かなえ氏は、2016年の文芸部門で、「子育て中」の著名人に贈られるベストマザー賞を受賞されていました。従って、正真正銘の「お母様」でした。
 
 いずれにしても、「少々誇張気味」と取るかどうかは、読者の感受性の問題かもね。
 幼い少女の「誘拐」というリアリティー(犯罪)と、生身の女・・母性と言うには、あまりにも身勝手な歪んだ愛。人間は厄介な生き物ですね。
 てなことで、究極の「謎解き」も然ることながら、じわり、じわりと真実に近づいて行くドキドキ感と、著者らしい巧みな読者の惹きつけ方を、愉しむことが出来ました。


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「本」と言えば――
 つい先日、娘がオークションで、泉鏡花『日本橋』と言う本をゲットしました。
 近代文学館「名著復刻全集」で、発刊当時(大正三年九月14日印刷)のままの形で昭和47年に再出版したものだそうです。
 なので、、裏を返して見ると、発行所が東京市本郷区になっていたり、「定価 金壱円一圓弐拾銭」になっていたり・・
 セピア色のページを捲ると、ふんわりと、カビ臭いような大正時代っぽい?香りがします。
 泉鏡花と言えば、なんといっても、古典劇の代表作『婦系譜』(おんなけいふ)を思い出しますが――
 この『日本橋』と言う作品も、それと並び称される戯曲の一つということです。
 そう言えば、昔はよくテレビなどで、水谷八重子の新派の舞台劇を観たものですが、最近はすっかり影を潜め、そもそも『婦系譜』(おんなけいふ)がどんなストーリーだったかさえ、忘れてしまいました。
 ところで・・です。
 今回、娘がこの本を手に入れたのは、特に『日本橋』が読みたかったわけではなく、おそらく本書の装丁・挿絵を描いた日本画家、<小村雪岱>(こむらせったい)が目的だったのでしょう。
 と申しますのも、つい最近、たまたま娘と二人でテレビの【美の巨人たち】という番組を観ていたら――
       日本橋花街の誰もいない部屋の謎!小村雪岱『青柳』

 と題して、この泉鏡花『日本橋』という本を紹介していたのです。
 で、親子で、それぞれ別の視点から「へ〜〜」と、その時初めて<小村雪岱>(こむらせったい)の名前を知ったわけですが――
 本の装丁、挿絵、商業デザイン、舞台美術など、様々な分野で活躍した日本画家だそうです。
 問題の『青柳』という作品は、小村雪岱自らが、本の装丁のために描いた傑作で――

花街の畳敷きの部屋には、なぜ人がいないのか?静寂の世界の謎。ありえない建物の縮尺の訳。描かれた家を建築模型として再現。その理由・・

 などに迫っている番組でした。
 で、函型の装丁から本体を取り出してみると・・ありました。ありました。表紙の見開きに例の『青柳』という作品が―。
 繊細な線が生み出す建物と、空間だけの世界・・。なるほどね〜〜。
 本体の『日本橋』のほうは、全編ルビが打ってあるものの、読み慣れない文語体で、旧仮名遣いで書かれているので、私の知識では簡単に読破出来そうもありません。
 とは言っても、とても貴重で興味深い作品です。少しずつ、マイペースで読んでみようと思います。、
 てなことで、装丁に興味を持った娘と、それに便乗した母と―。
 本をゲットしたのは、このような背景があるのです。

                 *小村雪岱の『青柳』
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                  *泉鏡花の『日本橋』                     
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 余談になりますが――
 ここ数年、当ブログの冒頭写真、また、随所に娘の写真を使用するようになりました。
 趣味の世界以外には関心が無いせいか、いまだに鳴かず飛ばずの状態です。
 が、なんでもフランスのファッション誌ヴォーグ(VOGUEと契約を結んでいるそうですよ。
 撮ることは好きなのに、撮られることは嫌う娘。ある日、ふと悪戯(いたずら)心で隠し撮りしちゃいました。(下の写真ネ)
 モ、モチロン、美人です。(親バカですが)


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 一方、映像のほうは――
 このところ、関心事が分散?していたせいか、特に印象に残っている作品は思い当たりません。
 強いて言えば、ちょっと異様な世界を描いた『イノセント・ガーデン』(2013年・アメリカ合衆国・イギリス)という映画でしょうか。
 異常者の心理と、狂ったサイコパスの殺意を抽象的に描いたサスペンス映画です。
 ストーリーは――
 外の世界を遮断するように建てられた、大きなお屋敷で暮らしている主人公の少女インディア(ミア・ワシコウスカ)。彼女の父親は、毎年、彼女の誕生日に庭のどこかに「靴」を隠してインディアに探させていたのですが、18歳の誕生日は、靴ではなく、たった一つの「鍵」だけでした。
 直後に、父親は交通事故で急死し、インディア母親(ニコール・キッドマン)と、家政婦の三人なった家族のもとに、チャーリー(マシュー・グッド)という謎めいた叔父が現れ、インディアの周囲の人間が、次々と姿を消します。
 同居するチャーリーの魅力に惹かれて行くインディア母親。肉親の愛を否定し、心がカラカラに乾いた人間同士の孤独と殺意・・。

 因みに、タイトルのイノセント【innocent】とは、無実の。潔白な。 純潔な。 無邪気な。という意味だそうです。
 美しくも恐ろしい、ちょっと不気味な映画でした。


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 さて、本番。
 近年は、室内ばかりにいるので、暑さ寒さは、以前のように体感することが出来なくなりました。
 年中エアコンの効いた室内にいると、季節感も希薄になります。
 終日、気まぐれなパソコンに向かって、生産性のない妄想と、勝手気ままなタイムテーブルを消化すべく――
 忘れられない季節感と、それぞれの心象風景・・
 例えば、と言えば・・・小学校5年生から中学2年生まで過ごした、長野県・松本市の社宅の庭に積もった雪の白さと冷たさ。ちっちゃなかまくら(雪洞)を作って遊んだ蝋燭の炎。炭火で温めた炬燵の温もり。

 例えば、と言えば・・・若き日のの夜、初めて胸をときめかしたX氏と深夜の大阪の街を歩き、最後に辿りついた見知らぬ住宅街の公園で、ブランコに乗りながら、しらじらと夜が明けて行くのを眺めていたX氏のバースデー(7月28日)の夜。
 張り裂けんばかりの恋心と、公園に自生した雑草の群れに、むせ返るほどの生命力を感じた草いきれ・・

 時々、ふとそれらの記憶が甦ってくるのです。
 
 因みに、「X氏」については、ずっと以前、当ブログでも『X氏への手紙』と題して書いたことがあります。
 そうして、その「X氏」も、今年で81歳。まだまだお元気で活躍されています。
 先日も、恒例になっているバースデーメールを差し上げたら、<・・略・・私の感覚は未だ20歳台のままです。私の気持ちはいささかも変わらない、扉の開いた鳥籠を持ったままです。・・略・・能動的な愛を込めて・・>という返信メールを頂きました。
 
 若き日の青年戦士は、今も情熱を失わない老戦士です。
 幾つものを通り過ぎて・・。





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『X氏への手紙』




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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
北斎なども、所謂「狂歌絵本」の挿絵を多く手がけています。美人!の娘さんに、薦めてあげてください。
また、昭和ロマンということであれば、雑誌「新青年」も参考になるかも知れません。
ダダさん
2017/08/01 09:06
ダダさん、こんにちは。
ありがとうございます。
「新青年」ですか〜〜。
江戸川乱歩や横溝正史の挿絵や表紙・・
郷愁を感じますね。
今の人たちにとっては、昭和グラフィティのようなレトロ調の絵画って、逆に新しいんでしょうね。


狭い住居なので、「近過ぎる」せいでしょうか、日頃からあまり会話のない親子です。
娘には、なにかと驚かされることが多いんですよ。  
夢子
2017/08/01 13:25
若かりし頃、夢野久作という作家に興味を覚え、その作品発表の舞台として「新青年」を知りました。
その頃は絵画やデザインを専門とする知人が多かったこともあって、色々と話し合った記憶があります。
復刻版も当時出ていたと思います。
ダダさん
2017/08/01 20:02
ダダさん。こんにちは。
夢野久作・・そうでした、そうでした。
「新青年」と言えば、まずは「夢野久作」を想い浮かべなきゃ、ですよね。
残念ながら、作品は読んだことがありませんが・・
今思えば、あまりにも毒々しい・・というか、非現実過ぎて、怪奇的なイメージが強すぎて、尻込みしていたのかもしれません。(要するに、食わず嫌いね)

 機会があれば、是非!是非!
夢子
2017/08/02 11:44
(追伸)
世代は少し上になりますが、横尾忠則というデザイナーの存在は、とても影響力のある人でした。確か、当時はサイケデリックという言葉も流行りました。
ダダさん
2017/08/03 08:40
ダダさん、こんにちは。
サイケデリック。懐かしい響きですね〜。
広告代理店に入ってすぐ「グラフィックデザイナー」という存在を知り・・
その後、強烈な個性と、独特の世界観を描いた横尾忠則の作品を知り、大いにカルチャーショックを受けたものでした。
娘も大好きな芸術家のひとりです。
夢子
2017/08/03 12:20

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