胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈浮かぶ瀬もあれ梅一輪〉

<<   作成日時 : 2016/01/28 13:40   >>

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    木枯らしや 東京の日のありどころ (芥川龍之介)

 厳寒の候。
 暖冬、暖冬と思っていたら、お正月を明けた頃から急転直下。厳しい寒さになりました。
 西日本では、数十年ぶりの大寒波が襲来!近畿、中国、四国、九州の全県庁地が、氷点下になった(1月24日)そうです。
 そればかりではありません。 暖かいはずの南の島、奄美大島、沖縄本島にまでが降ったとかで、慣れない雪景色共々、思わぬ被害で混乱をもたらしました。
 しかも、しかも、この寒さのせいで、海で泳いでいた魚が、仮死状態になっちゃったって言うんですから、ビックリ仰天です。
 常夏の島のイメージも、今や幻になりつつあるんでしょうか。
 また、この大寒波アメリカにまで及び、ニューヨークでも、積もったの量が史上2番目を記録するなどして、交通事故などの被害が相次いでいるそうです。
 で、東京でも、12日に初雪が降り、18日早朝にかけては、数センチのが積もったことによって、都内の交通網が大パニックになりました。
 我が家でも、あの日は朝娘が出勤したものの、最寄りの駅のホームは通勤客で溢れ、改札口にすら入れなかったとかで、早々に引き返してきました。
 たった数センチの積雪なのにね。都会の弱点です。しみじみ・・ね。
 どうやら、今年も異常気象の先行きが心配です。


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 それにしても―
 今年も、年明けから色々なことがありました。
 中でも、15人が死亡、26人が重軽傷という、平成に入って以降最悪の被害となった<軽井沢・スキーバス転落事故>は、今も多くの課題を残して話題になっています。
 勿論、事故というのは、どんな場合も残酷で不条理なものですが―
 なんと言っても悲劇なのは、今回の事故は、被害者の多くが未来ある若者(大学生)だったことから、遺族の心情、憤りを、誰もが共有したことでした。
 で、ふと気がついたのですが―
 このところ、連続して多発しているバス事故の怪。これって、伝染するの?それとも報道の仕方なの?ってこと―。
 なぜなら、昨年来、やけにバスの発火事故、転落事故、衝突事故だのが急増しており・・毎日のように、ニュースで報道されるようになったからです。
 と同時に、高齢者の事故、高速道路の逆走・・などもね。
 これって・・やっぱり、単なる社会現象というよりも、あれやこれや、日本全体が大きな転換期にあるのかもしれませんね。
 いずれにしても、「安全・安心」の国になって欲しいものです。



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 そうそう、これも世間を賑わしたニュース。
 先日、突如として勃発した<スマップ解散騒動>の件。
 ファンのみならず、多くの日本人が、少なからず衝撃を受け、固唾をのんで(事の成り行きを)見守ったものでしたが―
 なにしろ、国民的アイドルとして25年間も貢献してきたわけですから、本人たちは勿論、今や彼らのファンも立派な大人です。
 従って、それぞれが立場上「思う」ことも百人百様。、例の謝罪会見以降も、なかなか「メデタシ、メデタシ」とはならない裏事情もあるようです。
 それにしても、あの時の謝罪会見のテレビの平均視聴率が31.2%だったというのですから、いかに世間の関心を集めていたのか、分かりますよね。
 で、続編として、その翌日(謝罪会見のね)、たまたま国会の「予算委員会」の中継を見ていたら、冒頭で某野党議員が、件(くだん)のスマップ騒動に触れ、その存続について言及したところ、安倍総理が思わずニヤリと笑い、「良かったと思います」と答えていたのを見て、「やっぱりスマップってスゴイな〜」、「日本は平和だな〜」と、しみじみ思いました。
 そんなこんなで、本来ならば、芸能界の話題はスルーするワタクシですが―
 本性は極めてミーハーですから、スマップ・・とりわけ、闘争心を感じるキムタクの眼力(めぢから)は、以前から好きです。


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 今回読んだ本は、前回、前々回に引き続き、肩の凝らない癒し系の本、『ミ−ナの行進』小川洋子著・中央文庫・2006年刊行)という小説です。
 てか、最近は、奇を衒った感動的なもの、鬱々とする重〜いものは敬遠するようになったので、そう言う意味では、本書はネガティブな無常感もないし、面倒な紆余曲折もないし・・
 ほどよい温かさで癒してくれる、透明感のある小説です。
 因みに、著者の「小川洋子」といえば、芥川賞受賞(1990年)後は、数々の文学賞を受賞している実力派の作家です。
 中でも、読売文学賞、本屋大賞を受賞した『博士の愛した数式』(2003年)は、ベストセラーになり、映画化もされ、以前このブログでも掲載したこともありました。
 今回の『ミ−ナの行進』は、以前読んだ作品とはひと味違う、どこか絵本少女小説のような風情の小説なのです。

 美しくて、かよわくて、本を愛したミ−ナ。
 あなたとの思い出は、損なわれることがない
 ―――ミュンヘンオリンピックの年に芦屋の洋館で
 で育まれた、2人の少女と、家族の物語。
 あたたかなイラストとともに小川洋子が贈る、
 新たなる傑作長編小説。
      第四十二回谷崎潤一郎賞受賞作
          (裏表紙・解説より)


 物語は、岡山に住む一人の少女が、父親が病死してシングルマザーになった母親の都合で、一年間、母親の姉、つまり、少女の伯母さんが住む「芦屋」で暮らした日々を綴った、おとぎ話のような体験談です。
 時代背景は、ミュンヘンオリンピックで沸く1972年前後の兵庫県芦屋市。
 中学2年生だった少女(主人公)が預けられた伯母さんの家は、1,500坪もある庭と、部屋数が17もある、白い大きな洋館でした。
 そして、そこには多くの使用人と、片言しか喋れないドイツ人の「ローザおばあさん」と、彼女の血をひいた、金持ちでダンディーな伯父さんと、病弱な(喘息持ち)6年生の「ミ−ナ」という従妹が住んでいました。
 また、この洋館には、その昔、自宅の庭園で色々な動物を飼って「動物園」にしちゃった、という奇妙な歴史?まであり、当時も、庭の池で「ポチ子」という小さなカバ(コビトカバ)を飼っていました。
 しかも、このポチ子、病弱なミ−ナを背中に乗せて、毎日自宅から学校まで、のっし、のっしと歩いて通学するというのですから、想像するだけでもユーモラスです。
 幼い頃、伯母さんから贈られたという優雅で美しい乳母車の記憶共々、少女にとっては初めて経験する夢のような生活―
 天蓋付きのベッドやら、光線浴室やら、一流ホテルのシェフによる出張ディナーやら・・数々のカルチャーショックを受けながら―
 年齢的にも似通った二人の少女の交流の中で、マッチ箱のおとぎ話やら、図書館で出会った青年へのときめきやら・・非の打ちどころがないと思っていたハンサムで優しい伯父さんが、ある日を境に帰宅しなくなり、不審に思っていたら、実は、彼には大きな秘密があったという―
 ちょっぴり大人の事情まで孕んだ物語でもあるのです。
 読み終わってふと感じたことは―
 少女時代の夢や憧れというものは、時としてノスタルジックな喪失感を伴うものですが、本書は、よくありがちな(薄っぺらい)「死」や「別れ」で終わらせていないところが爽快で、主人公(少女)と重なる著者の潔(いさぎよ)さを感じました。
 著者らしい大胆さと、静謐な温かさ、 随所に挿入されている「寺田順三」のイラストがほのぼの感を添え、最後まで力強い、光に満ち溢れた作品でした。
 
 余談になりますが―
 そもそも、この本のどこに惹かれたのかと申しますれば―
 なんといっても、舞台が、かつて我が家のテリトリーでもあった兵庫県の芦屋市ということ。
 また、風景描写のすべてが実在する場所で、当時の時代背景共々、記憶に重なる部分が多いからです。
 なので、読みながら何度もページを捲るのを忘れて、「そういえば・・」と、当時ことを振り返っていました。
 と申しますのも、丁度この頃(20代から30代にかけて)、我が家は六甲山の中腹(芦屋)にマンションを購入し、夫共々、育児と専業主婦に明け暮れる毎日だったからです。
 今思えば・・人生のど真ん中。夢も、野望も、未来も、若さも・・それらのすべてを享受していたにも関わらず、常に満たされず、「家庭」という仮想の舞台の上で、意味もなく「幸せ」を演じていた時期でもありました。
 傍目には、さぞ幸福そうに映っていたことでしょうが―
 この時期こそが、我が泥沼人生のプロローグ(序章)でもあったわけでして・・。(ブルブル・・)

 以上のようなことから、本編に出てくる場所、時代背景、風景・・どれもが見慣れたものばかり。
 作品とは直接関係ない所で「懐かしさ」「痛み」を感じる小説でした。


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 ちょっと面白い映画を観ました。
 タイトルが『変態小説家』(2012年・英)というので、よほど際(きわ)どい映画かと思いきや―
 意外や意外、これが娯楽映画としては最高に面白い、サスペンスタッチのコメディーなのです。
 妄想強迫観念にのたうち回る一人の変態・・いえ、犯罪小説家(サイモン・ペック)の、真剣、かつ狂気の苦闘を描いたものです。
 とにかく、その「のたうちっぷり」は、尋常ではありません。
 自作のために凶悪殺人鬼の資料を集めるうちに、毎晩、血まみれの夢をみるようになり、殺人鬼に狙われている妄想からパニック状態になり―
 以来、何かの影にびくついたり、窓からの侵入者ををシャットアウトしようとしたら、瞬間接着剤で手からナイフが離れなくなったり・・テンヤワンヤ。
 その上、、「プライバシー」を他人に見られることへの異常な恐怖心があるため、コインランドリーで衣類を洗うことすら出来ません。
 それやこれやの精神的な不安定から、心理療法士に助けを求める日々でしたが―
 洗濯した衣類を(乾燥機の代わりに)オーブンに入れたところ焼け焦げてしまい、とうとうブリーフ一枚で悪戦苦闘することになります。(ね?面白いでしょ)
 が、実は彼には、幼い頃「コインランドリー」で母親に捨てられたトラウマがあることに気づき・・・
 というもので、観る者にとっては滑稽なドタバタ劇だけれど、本人にとっては、決して「笑い話」では済まされない心の闇を、軽快、かつ冷静な説得力で描いたコメディー映画です。
 ブラック・ユーモアたっぷり。猟奇、サスペンス、ホラー的要素と、絵本の世界のファンタジーまで備えた、娯楽映画の真髄。スリルに満ちた作品でした。



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 一方、こちらはブラック・ユーモアどころか、ある意味、リアリティーの極致を描いた『2012』(2009年・米)というSF映画―。
 古代マヤ人が、2012年に訪れると予想した「人類滅亡説」を描いたものです。
 滅亡の原因は、(難しいことは解からないけれど)惑星の配列によって地球内部に変動が起こり、太陽が異常に活発化して、世界のあちこちでマグニチュード10以上の地震が襲来し、大パニックになるというものです。
 で、世界の滅亡を知ったアメリカ大統領は、イギリス、ロシア、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カナダの首脳を集め、極秘裏に地球存続の道を模索するというものです。
 果たして、人類は生き残る術があるのか?
 危機迫る「地球崩壊」のシーンを、アメリカならではのCG(コンピュータ・グラフィックス)を駆使した、スケールの大きな映画です。
 まあね、2012年ですから、すでに何事もなくクリアしているわけですが―
 そう言えば・・ひと昔前「ノストルダムスの大予言」とやらで、「20世紀末(1999年)に地球が滅亡する」な〜んて噂が、世界中でまことしやかに飛び交い―
 もっとずっと以前には、日本でも、小松左京のSF小説『日本沈没』が映画化されたことがありました。
 当時は、まだまだ「SF小説」の域を出なかったせいか、「好奇心」半分、「恐怖」半分で、ほぼ絵空事として観たものでしたが―
 地球存続VS人類の叡智。 
 こういった類の映画も、今や単なる「SF」として観られなくなった怖さ、底知れぬリアリティーを感じる映画でした。
  

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 そんなこんなで―
 今年も、片麻痺なるがゆえの幽閉の身と致しましては、年末から年始にかけて夥(おびただ)しい数のバラエティーや、映画、ドラマ、お借りしたDVDなどを観てきたわけですが―
 当然のことながら、そのほとんどは、日々きれいさっぱり忘れて行きます。
 なぜならば、毎日が車窓から見る電信柱のように(あっと言う間に)通り過ぎて行くので、いちいち目を凝らして留(とど)めておくわけにはいかないからです。
 従って、ちょっとした日々の動き、七転八倒して作る毎日の夕食の献立、その日のニュースや、読んだ本や、映画の感想など、印象に残ったものに関しては、翌朝、パソコンの「マイ・ダイアリー」に記しておくことにしています。
 擦り切れた「カオス」やら、溜(た)まりに溜(た)まった「身から出たサビ」やらを整理する意味でもね。
 日々の生活の足跡は、パソコンさえ開けば一目瞭然のわけですが―
 反面、アナログ世代の人間としては、実際に(ノートに)ペンで書いているわけではないので、常に心許なく思っている状態です。
 そうして、そんなマイ・ダイアリー、ユメウツツマボロシも、今年でNO・10になりました。

   焼き捨てて 日記の灰のこれだけか (山頭火)

 山頭火の虚無感も、今や一瞬にして消滅。「灰」にもならなくなりました。(ふ〜〜)

 まあ・・ね。襲い来る不安も、悩みも、怒りも、悔恨も・・何もかもを振り捨てて生きれば、もっと楽なのでしょうが―
 ホラ、よく身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ・・なんて言うでしょ?
 最低限、自分らしく、アイデンティティを持って生きようと思うと、身も心もヨレヨレになるものです。(ふ〜〜)
 
 
  そうこうしているうちに1月も終わり―。 
     ”春”が待ち遠しい季節になりました。



        


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『博士の愛した数式』


   今年は赤坂の料亭の「おせち料理」でお正月気分を味わいました。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
先日の「寒波」で、家の給湯管が凍り付きました。
ここに引っ越してきて、初めての出来事です。
それだけ冷え込みが厳しかったのですね。
ダダさん
2016/02/04 19:15
ダダさん、こんにちは。
そうでしたか。
なにしろ鹿児島や沖縄にまで雪が降ったそうですから、
ちょっとやそっとの「寒波」ではなかったのでしょう。
それにしても気候変動の激しいこの時節、ダダさんも体調を崩されませんように―。

東京では、先ほど震度4の地震がありました。
夢子
2016/02/05 09:49
南の鹿児島では、つい先ほど、桜島が噴火したようです。

昨日今日と外気温が少し低くなったように感じています。
東京も、雪が降るかも知れませんね。
インフルエンザのシーズンです。
夢子さんは、ワクチンを接種していますか?
ダダさん
2016/02/05 19:16
ダダさん、
日本では桜島が噴火。台湾では、マグニチュード6.4の地震・・次から次と、いろいろありますね〜。

インフルエンザのワクチンですか?
毎年接種していますよ。
今年も(昨年の11月)ちゃんと済ませていますが・・
聞くところによると、今年のインフルエンザはA型とB型の二種類あって、下手をすると二度もかかっちゃう場合もあるんだとか―。
 ダダさんも気をつけてくださいね。
夢子
2016/02/06 11:24

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