胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈事実は小説より!!!〉

<<   作成日時 : 2016/11/29 12:50   >>

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         魂の ひと揺るぎして秋の風 (高浜虚子)

 晩秋・・とは言っても、体感的には、すでにモードです。
 東京では、な、なんと、54年ぶりの初雪(24日)が降り、11月とは思えない景色になりました。
 やっぱり近年は、季節が少しずつ「前倒し」傾向にあるのでしょうか。
 それにしても・・今月22日の早朝起きたマグニチュード7・4<福島県沖地震>は、本当に、本当にびっくりしました。
 地震の速報の直後、テレビでは、気象庁が福島県宮城県の沿岸に「津波警報」を出し、更に切迫感を伝えるために、何度も、何度もテロップで「すぐ避難を!」、「5年前を思い出して!」と、連呼したからです。
 あの日は東京でも、いつもより長い揺れを感じ、即座に<3・11>の悪夢が甦ったりして、「津波、津波」と慄(おのの)きました。
 一時は緊迫した空気が列島を包み、固唾を飲んで リアルタイムの中継を見るうちに――
 幸いにして、大きな被害には至らなかったことを知り、ホッとしました。
 日本人の知恵と能力と、底力・・あの恐ろしかった<東日本大震災>の教訓を生かした結果でしょうね。


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 また、今回は、世界中が注目したアメリカ合衆国の次期大統領に、<ドナルド・ランプ氏当選!>というニュースも、びっくり仰天した一つです。
 暴言王と言われ、富豪で、エネルギッシュで、メディアからも公然と嫌われていたトランプ氏が――
 大方の予想を裏切って、まさか、まさかの、優勢と伝えられていた<ヒラリー・クリントン氏>を抑えて、当選しちゃったからです。
 で、同時に、このニュースは、驚きと共に世界中を駆け巡ったわけですが―
 日本では、早々に安倍総理<トランプ氏との初会談>(11月18日)を行い、ニューヨーク5番街の、トランプタワーの最上階(68階)、金ぴかの自宅が公開されました。
 嫌われ者・・とは言われても、どこか優しさと、豪快さ、人間味を感じるトランプ氏、果たして政権後、アメリカを、世界を、どこへ導こうとしているのでしょうか。興味深いところです。

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 一方、同じアジア圏だというのに<韓国>では、今大変なことになっています。
 朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)容疑者の<国政介入疑惑>です。
 連日の報道によると、なにやら正体不明の「占い師のおばちゃん」が、どことなく弱々しさを感じさせる朴大統領の権力を利用して、国政に介入。私腹を肥やしていたという―
 なんとも生々しい、まるで「韓流ドラマ」を地で行くような事実が明らかになり、テンヤワンヤの大騒ぎです。
 従って、今や朴政権は風前の灯火で、支持率も、僅か3〜4%ということで、よそ様の国のことながら、心配になります。

 
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 ところで・・です。いまだに「よく分からん?」現象の一つとして――
 メジャーデビューしたわけでもないのに、YouTube から突如出現し、彗星の如く世界デビューした<ピコ太郎>という御仁・・。
 なんでも、千葉県出身の「謎のシンガーソングライター」ということで、「謎の動画」で人気を博していますが――
 そもそも「ペン・パイナッポー・アッポーペン♪・・」って・・どんな意味があるの?(ま、意味がないから面白いんでしょうけど)
 時代の寵児・・とでも言うんでしょうか、ネット時代に生まれた不思議なキャラクター、少々気持ち悪〜いけれど(失礼)、強烈なインパクトで世界を席巻しつつあるピコ太郎氏です。

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 で、で・・
 余談になりますが――
 このどぎついキャラクター、ふと、いつか、どこかで見たような気がするのは何故だろう?と思ったら・・
 ジャ〜ン。そうです。昭和のお笑い界で活躍したヴォード・ヴィリアン、「トニー谷」氏でした。
 独特のお喋りと、シュールな芸風で一世を風靡し、かつては司会者としても、ソロバン片手に「♪あなたのお名前、なんて〜の?♪」な〜んて、リズムに乗って(舞台上で)対話し合う、ユニークな番組がありましたっけ・・。
 あの乗りや、あのシュールさが・・どことな〜く「ピコ太郎」に似ているのではないかと・・ま、昭和の時代を知っている人間としては、一種のノスタルジーを感じたような次第です
 歴史は巡っているんですね。

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 さて、今回は、ちょっと面白い・・いえ、ちょっと珍しい本を読みました。
『ロートレック荘事件』(筒井康隆著・新潮文庫)という作品です。
 作者の筒井康隆氏と言えば、日本を代表するSF小説の御三家の一人、「小松左京」・「星新一」と並び称され、『時をかける少女』などの作者として現在も活躍していることは、周知の通りですが――
 様々なジャンルで、様々な賞を受賞していること。また、本書のような古典的な「本格ミステリー」を書いていたことは、今回初めて知りました。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが・・・。
二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。 (裏表紙・解説より)


 ね?解説にもあるように、本書は、一見するとミステリーの王道のようなストーリー・・つまり、ある瀟洒な「山荘」を舞台に(軽井沢と思われますが)、次々と起きる殺人事件を描いたものなのですが――
 意外にも、読み始めて暫(しば)らくすると「ん?ん?」と、何やら不思議な違和感に襲われ、その違和感が最後まで続くという、究極のトリックが隠されているのです。
 従って、読み進むうちに、何度もページを遡(さかのぼ)って読むことになり、しかも「謎」が解き明かされた後に至っても、更に遡(さかのぼ)って読む必要があるという・・
 言ってみれば、作者に「まんまと騙(だまさ)された」感が残りつつ、「う〜ん、なるほどね〜」と唸ってしまう痛恨の・・いえ、痛快な?作品なのです。

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 物語は、語り手のおれが8歳の夏、おれの不注意で同年齢の従兄弟重樹を滑り台から突き落としてしまい、脊椎を損傷して身体障害者にしてしまいます。
 で、その償いの気持から、おれ重樹を生涯支えようと決めたという序章から始まり――
 第二章からは、今度は重樹が語り手になり、28歳になった「おれたち」が、花嫁候補に会うために郊外の「別荘」に向かいます。
 この別荘は、昔、父の会社が倒産して借金のために手放し、今では知り合いの木内文麿氏が買い取って、彼のコレクションでもある<アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック>の絵に因んで「ロートレック荘」と呼ばれています。
 そうです。アンリ・ロートレックと言えば――
 幼い頃、両足を骨折し、下半身が子供のまま成人した、≪ムーランルージュ≫などのポスターでお馴染みの、フランスの画家です。
 そうして、その「ロートレック荘」で、彼らを待っていたのは、別荘の持ち主木内夫妻と、24歳の娘典子と、彼女の高校時代の同級生寛子、資産家の未亡人五月(さつき)と、その娘で、典子とは高校時代の同級生 絵里など―。
 また、木内氏の会社の功名心が強い部下の錏(しころ) 和博や、「ロートレック荘」が、かつての所有者だったころからの別荘番、 馬場 金造 などが登場することになります。
 いずれ劣らぬ美女三人と、複雑に絡み合った男女関係を軸に、次々と起こる殺人事件。巧妙に仕組まれた構造的トリック。不可解な動機。見えない犯人の姿・・
「前人未到のメタ・ミステリー」と謳っているように、すべての謎を解くヒントは、「語り手」が誰?であるかに尽きるわけですが――
 本書を発刊した1990年当時としては、多分、前例の無いトリックだったのでしょう。
 中篇小説ながら、本文中、多数の<ロートレック>の絵画が挿入されており、じっくり読んで楽しめます。
 趣味と娯楽性。古典的な香りと、<本格ミステリー>の醍醐味を味わえるのも、また一興です。
 と同時に、ちょっと意地悪な目線で、衝(つ)きどころや、落とし所を探してみるのも・・ね。

              (アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック氏)
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 また、映像のほうは――
 以前にもちょこっと触れましたが、このところ、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』という海外ドラマ(DVD)を、全話(1シーズン・13話)観る機会に恵まれました。
 タイトルからも分かるように、ホワイトハウス内のドロドロした人間関係や、政治家たちの策略、駆け引き、報復、野心と言ったものを、サスペンス仕立てに描いた、アメリカ合衆国の政治ドラマ(2013年)です。
 シーズンものの一環で、今回観たシーズン1では――
 下院議員で主人公のフランク(ケヴィン・スぺイシー)が、NPO法人の代表を務めるキャリア・ウーマン、妻のクレア(ロビン・ライト)と共に、あらゆる手を使ってホワイトハウス入りを目指すというものです。
 とにかく(キツネとタヌキの化かし合いじゃないけれど)、裏切られたり、裏切ったり。復讐あり、陥(おとしい)れ、れ(おとしいれ)られ・・
 目的のためなら手段を選ばない強(したた)かさには、唯々驚くばかり。
 疑惑。自殺への誘導。アル中。不倫。コールガール。同性愛・・果ては、殺人さえ厭(いと)わない冷徹な執念。
 アメリカの政界も、ホワイトハウスの内部も、本当に、こんなにドロドロしていているの?と、疑心暗鬼さえ感じてしまいます。
 物語の展開としては、主人公フランクが、最後は副大統領まで上り詰めるところで終わっていますが――
 どうやらその先も、シーズン2〜4へと続いて行くようです。

 そんな中で、現実の≪ホワイトハウス≫では、ついにトランプ氏が次期大統領に決まり、全世界に衝撃が走ったわけですが――
 連日の選挙戦や、派手なパフォーマンスを垣間見ながら、もしかしたらトランプ氏の背後にも、ドラマ以上の暗黒が渦巻いているのでは・・?などと穿(うが)った想像してしまうのは・・・
 やっぱり、このようなDVDを観てしまったせいでしょうか。

 事実は小説より!!!なり。

 どんなに刺激的に、面白おかしく創った小説やドラマよりも、奇妙であり、奇怪であり、奇跡であり・・
 常にミラクルなのが、<事実>なのかもしれません。


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 そうそう、ミラクルと言えば――
 つい先日、夕飯の仕度を終えて娘の帰宅を待つ間、なにげにハード(ソフト)のほうに収録している録画欄を見たら――
 偶然にも、先ほど書いた「トニー谷」という文字が見えるじゃござんせんか。
 あまりにも旬過ぎるので(私の中ではね)、「ん??ナニ?ナニ?」と開いてみたら――
 違いました。「トニー谷」じゃなくて、『トニー滝谷』(2005年・日本・市川準監督))という映画でした。
 多分、娘が録画したのでしょう。村上春樹の短編小説を映画化したものでした。
 で、丁度暇を持て余していた折でもあり、「ラッキー」とばかりに観ちゃいました。
 なんだか得をしたような気分でした。

 映像は、冒頭からスローテンポで、右から左へ、まるで本を捲(めく)るようなカメラワークで画像が流れ、いかにも村上春樹っぽい作品でした。
 タイトルの「トニー滝谷」というのは、どうやら主人公(イッセー尾形)の名前で、両親は、れっきとした日本人のようです。

 ストーリーとしては――
 ジャズトロンボーン奏者を父に持つトニー滝谷</span <strong(>イッセー尾形)は、孤独を抱えつつも、イラストレーターとして成功し、ある日、着こなしの美しい(宮沢りえ)に恋をして、結婚します。
 が、彼女の度を越した衣服に対する執着から、トニートニーで、妻</span で苦しむようになり、結果としてを死に追いやることになります。
 以来、トニーは亡きを想うあまり、部屋いっぱいに残った衣裳を着てくれる女性(宮沢りえ)を雇い、制服として日替わりで着てくれるように頼みますが―
 やがて、所詮はの影に過ぎず、ではない事に気づき、女性に断りの電話を入れて、の衣類をすべて売り払います。
 その後、父親の死後、その遺品である膨大なレコードを売り払うことになった時、彼は初めて本当の孤独を知るというもので・・
 少々青臭いけれど、二人の女性を演じる(2役ね)宮沢りえの美しさと、なんとなく村上氏に似ているイッセー尾形の存在感が見どころです。
 全体にモノトーンといってもいいぐらい、カラーのトーンは落とし気味で、まるで小説を読んでいるようなゆったりとしたナレーション(西島秀俊)が心地よい映画でした。


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 従って、『トニー滝谷』とは、「トニー谷」とも、「ピコ太郎」とも、まったく関係ないものでした。

  

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 そんなこんなで――
 なんだか激動のだった感が・・。(ふ〜〜)
 サプライズ・モードも、そろそろからへ。
 寒さが募るこの季節。
 世の中を見渡すと、なにやら周囲が動きまくっています。
 そうしてワタクシメと言えば・・
 相変わらず、尽きぬ浮世<俗欲>にまみれ、
 何かにせっつかれて生きているのです。



    
           ピエロ
  
         ピエロの白さ 身のつらさ
         ピエロの顔は 真っ白け
         白く明るく 見ゆれども
         ピエロの顔は さびしかり
         ピエロは 月の光なり
         白く明るく 見ゆれども
         月の光は さびしかり
      
             (アポリネール・堀口大学訳)





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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
「意味不明」の芸風と言えば、どうしてもバンサ(藤村有弘)を思い出してしまいます。
また、大橋巨泉の「はっぱ、ふみふみ」も同様ですね。

寒くなりました。風邪にご用心!
ダダさん
2016/11/29 19:18
ダダさん、こんにちは。
そうでした、そうでした。
たしか「藤村有弘」は若くして亡くなったように記憶していますが・・
大橋巨泉氏は、つい最近まで活躍されていましたね。
軽妙な話術で、全盛期には多くの番組やCMで見られたものでした。

 インフルエンザの季節ですね。
 ダダさんも、お身体には気をつけて―。
夢子
2016/11/30 13:03
バンサは48歳で亡くなっています。
一つ年上の宍戸錠は未だ元気ですから、早すぎました。
日活の映画ファンとしては、あの、変な日本語を話す中国人のキャラが忘れられません。
ダダさん
2016/12/01 12:01
ダダさん、こんにちは。
そうだったんですね。
変な日本語を話す中国人・・よく覚えています。
まだ48歳だったんですか・・。早すぎますよね。

日活映画もよく観ました。
懐かしいですね。
当時の映画館は入れ替えがなかったので、妹と二人で、母の作ったおにぎり持参で一日中観たものです。
場末の映画館の喧騒、生活臭・・今も忘れることが出来ません。
夢子
2016/12/02 11:20
昭和30年代には、田舎の小さな町にも映画館があり、常時ではなく、月の内に数日上映していました。
それは雑文でも書きましたが、客席はイスではなく、一面の床敷き構造で、冬場には石炭ストーブが出たものでした。
そんな時代が今となっては、とても懐かしく思われます。
ダダさん
2016/12/04 08:47
ダダさん、こんにちは。
そうでしたね。当時は、よく小学校の講堂とか、夏休には保護者と共に、夜の校庭とかで「映画会」が催されたものでした。
また、どこの町にも必ず一つや二つ、小さな映画館があったものですが・・
いつの間にか淘汰されてしまいました。
時代・・ですね。
夢子
2016/12/05 14:33

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