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zoom RSS 徒然の記〈大統領と“時”の風景〉

<<   作成日時 : 2017/01/30 11:20   >>

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       木枯らしの 今や吹くとも散る葉なし (漱石)

 本番。日本列島寒気に覆われ、日本海側、西日本では大雪が―。
 中でも、鳥取県山陰道では、つい先日、積雪のため、何百台もの車が立ち往生し、大変なことになっていました。
 に不慣れな土地での積雪って、被害が思いのほか大きくなるんでしょうね。
 一方、こちら東京では、年が明けてから比較的好天に恵まれ、寒いながらも穏やかな日々が続いています。
 が、空気がカラカラに乾いているそうで、「火事」の多発と、「インフルエンザ」流行の警報が出ているようです。
 そうして「乾いている」といえば・・ついでにワタクシメの心もね。(ふ〜、潤いが欲しい)
 それにつけても、昨年中(2016年)は、国内外激動の・・いえ、何やかやと、色々ありましたが――
 年が明けて早や一カ月、なんといっても興味深かったのは、アメリカの首都ワシントンで行われた<トランプ大統領の就任式>(1月20日)でしょう。
 就任前から不思議なキャラクターで、政治家らしからぬ破天荒な言動で世界の注目を浴びていましたが――
 就任式が現実となり、<第45代アメリカ合衆国大統領誕生!>の瞬間を垣間見てみると、なにやら複雑な気持ちと、「また新たな時代が始まるんだな〜」と、感慨深いものがありました。
 聞くところによると、アメリカでは「不動産王」と呼ばれているドナルド・トランプ氏(70歳)、公職経験のない初の大統領ということですが、就任式の演説では――
 これまでのオバマ大統領の政策を踏襲せず、(方向転換して)「アメリカファースト」というコトバを繰り返し、同時に「保護主義」、「アメリカ第一主義」を強調していました。
 ん?これまでの大統領のイメージとは違い、ノーマルじゃない世界のリーダー?
 不安に思いながらも、とは言うものの、政務が始動すれば・・と、淡い期待がありましたが――
 就任後も日本バッシングは止まらず、、即座に「大統領令」とやらを頻発し、宣言通り「シリア難民受け入れの凍結」やら、「「メキシコの壁施」やら・・日本では、あれだけ揉めに揉めた「TPP(環太平洋経済連携協定)の離脱」やら、いとも簡単に署名しちゃっています。
 今後の日米同盟、日米貿易、安全保障への不安が募りますが・・
 そもそも、超大国の大統領が、日々刻々と「ツイッター外交」しているなんて、前代未聞です。恐るべし金ピカ大統領!
 時代の流れ・・とでも言うのでしょうか。しみじみ・・
 いずれにしても、これまでは、日本にとってアメリカは、「最も信頼できる国」だとばかり思っていたのに・・何やら不気味な存在になりつつあります。
 世界は、アメリカは、日本は・・これから何処へ向かおうとしているのでしょうか。
 聞くところによると、いよいよ来月(2月10日)、初の「日米首脳会議」が開かれるそうですが―
 日本の真価が問われることになりそうです。

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 因みに、今年を代表する内裏雛には、そのトランプ大統領と、昨年からすでに「都民ファースト」を掲げて活躍している、小池百合子東京都知事との噂もチラホラ―。
 それにしても――
 最近は、イギリスEU離脱だけじゃなく、「民主主義の崩壊?」、「そもそも民主主義って何だろう?」と首を傾げる事柄が、相次いでいます
 ホラ、昨年暮れの「紅白歌合戦」の判定なんかにしてもね。


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 さて、今年の「本」の読み初めは、『マチネの終わりに』(平野啓一郎著・毎日新聞出版)という長編小説でした。
 著者の平野啓一郎氏と言えば、『日蝕』という作品で、23歳の時(1999年)芥川賞を受賞した、とびっきりの知性派作家であるこは周知の通り。視覚に訴える「実験的作品」なども描いた作家としても知られています。
 以前から読みたい、読みたいと思いつつも、正直、ちょっと「取っつきにくい」イメージがあり、無意識のうちに敬遠してきた作家でもあります。
 が、しかし・・本書は、ごく、ごく分かり易い大人の恋愛小説として、ストレートに(素直にね)読むことが出来るのです。
 なにしろ、あの又吉直樹クンも(ピースのね)絶賛しちゃっているのですから、「へ〜、平野啓一郎が恋愛小説?」と、俄然興味をそそられたのです。

      結婚した相手は、人生最愛の人ですか?
          読者を虜にする万感のラスト!
          切なすぎる大人の恋の物語


 ね?物語の主役は、クラシック界の天才ギタリスト。世界のあちこちで数々のコンサートをこなす著名なアーティスト、蒔野聡史(38歳)と、フランスの通信社に勤務するジャーナリスト、小峰洋子(40歳)との、大人の“愛”を描いたものです。
 二人は、あるコンサートの「打ち上げ」で知り合い、会った瞬間からお互いに惹かれ合うようになり、やがて一緒になることを決断します。
 が、当時、洋子にはアメリカ人のフィアンセ(リチャード)がおり、蒔野のほうも、実は(本人は知らぬものの)、彼のマネージャーでもあり、秘かに蒔野への想いを寄せる 三谷早苗 (30歳)がいます。
 それぞれの仕事と場所を隔てて、蒔野と洋子の恋は発展しつつある中で―
 ある日、二人の関係を断ち切るべく、無情にも早苗「蒔野」と偽っ、て洋子に「決別」のメールを送ってしまいます。
 こうして二人の恋は、時間のズレと、人為的な策略によって断ち切られることになり―
 洋子リチャードと結婚し、妊娠、出産・・ささやかな結婚生活に落ちついたかのように見えましたが・・
 リチャードの浮気によって離婚。
 一方、 蒔野のほうもも、(騙されたとはつゆ知らず))早苗と結婚し、新たな命(妊娠)の誕生を待つばかりでした。
 出会いから5年の歳月が流れ――
 ふとしたことから蒔野洋子は「真実」を知ることになり、二人の想いが再燃し・・という、ま、言ってみれば、一途な大人のラブストーリーなのです。
 青春を過ぎて40代の恋。日本人の母と、クロアチア人で映画監督の父を持つ洋子は、イラクで体験したテロ事件の恐怖から、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、父の造語でもある “ヴェニスに死す症候群” によって心が揺れ動きます。ヴェニスに死す症候群・・それはつまり、<中高年になって突然、現実社会への適応に嫌気がさして、本来の自分へと立ち返るべく、破滅的な行動に出ること>だそうです
 で、ふと思いました。「なるほどね〜」と。そうして『ヴェニスに死す』と言えば、ドイツの作家トーマス・マンの中編小説で、当ブログでも、今から8年前(2009年)、『100年前のボーイズラブ』というタイトルで掲載したことがありました。
 物語は確か・・仕事に疲れた中年の作家が、保養先のホテルで長期滞在している10代の美少年に出会い、そのあまりの奔放さと美しさにすっかり魅了されてしまうというお話で・・
 ストーカーのようにつきまとっているうちに、丁度その地で流行っていた「コレラ」に感染し、死んでしまう・・というものでした。
 若い頃の“恋”と違って、過去やトラウマを背負った大人の恋。だからこそ歯止めが効かなくなってしまう破滅的な恋。・・まさにね。
 本書『マチネの終わりに』も、その“ヴェニスに死す症候群”がテーマになっているだけに、最後は双方が、本来の自分へ立ち戻っていくという・・
 中高年の一途な“愛”を描いた、上質なラブストーリーです。
 また、ラブストーリーとは言うものの、著者が平野啓一郎氏とあって、壮大なバッハの管弦楽や、『アランフェス協奏曲』と言ったクラシックギターの演奏と共に、日本、フランス、アメリカ・・様々な国を背景にした、スケールの大きな作品です。
 いずれ映画化するのでしょうが――
 読みながら、それぞれの情景が映像になって浮かんできて、「映画化されるとしたら・・」と、キャスティングまで想像力を掻き立てられる作品でした。
 久々にときめきを感じながら―。


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 ちょっと面白い映画を観ました。『コーンヘッズ』(1993年・米・スティーブ・バロン監督)という、SFコメディー映画です。
 お話としては、ある日、遥か何十光年も離れた星からやって来た宇宙人の(ダン・エイクロイド&ジェーン・カーティン)の乗った宇宙船が故障して、不時着するところから始まります。
 で、帰るに帰れなくなったが、宇宙船が迎えに来るまで地球に潜伏して生活するうちに、仕事にも恵まれ、雇い主(シンバッド)からも信頼され、違法ながらも米国籍も入手。地球人になりすまして、ささやかな幸福を手に入れます。
 やがて、の間には長女(ミシェル・バーク)まで生まれ、いつしか18年の歳月が流れ・・
 長女は自動車修理工場に働くボーイフレンド(クリス・ファーレイ)まで出来るお年頃に。
 勤勉で真面目なコーンヘッド一家は、郊外に一軒家を持ち、倹(つま)しく人並みの暮らしを得るのですが・・
 そんなコーンヘッド一家に、以前から目をつけていた移民局の捜査官(マイケル・マッキーン)が再び捜査を開始し、執拗に追跡されるようになり・・という、ドタバタの展開になっています
 コミカルな娯楽映画ながら、タイムリーでアメリカらしい、ある意味「移民国家、アメリカ」ならではの問題を痛烈に皮肉った、深みのある映画のような気がしました。

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 冒頭でも触れましたように、今年はアメリカ合衆国大統領の交代の年でした。
 で、ふと、「そう言えば、オバマ大統領の時は・・」と、8年前のブログを調べてみたら――
 やっぱりありました。『大統領と、“古都”の風景』と題して、当時の事を描いた記事が―。
 ついでに、若い、若い頃の1ページと重ね合わせて、『ケネディー大統領暗殺』にまつわることなどもね。
 思えば・・アメリカの歴代の大統領と、それを受け止める側の心の風景って・・
 日本の総理大臣とは違って、特別な重みがあるものですね。(アベ総理、ごめんなさい)


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 そんなこんなで――
 今年も、来たるべくして来た2017年。(ふ〜〜)
 ささやかながら・・意味もなく・・ただチンタラ過ごした現在までを振り返ってみますれば―
 年々つまらなくなる一方の「紅白歌合戦」なんぞを見て、文句タラタラ。
 ならば見なきゃいいのに、最後まで見て年が明け―
「今年こそは」とセレクトしたつもりが、実は何年か前と同じレシピだった「おせち料理」なんぞを食し、一日目だけ感動して、あとはしらけムード。
 大して面白くもないテレビの「お正月番組」なんぞを脈絡もなく見て、バカ笑いし―
 さて、希望も持てぬまま、相変わらず何かにせっつかれ、のたうちながら迎えた平成29年
 新たな列車に乗り換えたと思ったら、もう一本目の“電信柱”が通り過ぎて行きます。




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『100年前のボーイズラブ』

『大統領と、“古都”の風景』



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
今度の大統領に限らず、アメリカという国は「自分たちに都合の良いルール」が好きなのです。
スポーツなどでも、同じような「ルール改正」が突然行われたりしますね。彼等の言う「公平」は、あくまでも彼等の利にかなったものに限られるのです。
ダダさん
2017/02/01 19:11
ダダさん、こんにちは。
そうですね〜。同感です。
大国なるが故の「驕り」もあるのでしょうね。
「世界の警察はやめる」という発言も、基はといえば、「自分の身は自分で守る」というアメリカ的個人主義に過ぎず、彼の言う「アメリカファースト」の意に沿わないからかもしれません。

が、統制がとれなった場合の、世界の行く末が心配です。
夢子
2017/02/02 13:07
アメリカ自体も少なからず混乱するでしょうが、それでも未だ過半数の国民が支持している間は、なんとか統制は取れるのでは?

おヒョイさんが亡くなりましたね。ゲバゲバの頃が、とても懐かしく思えます。
ダダさん
2017/02/02 16:00
ダダさん、こんにちは。
なにやかやと、連日話題に事欠かないトランプ大統領ですが・・
アメリカは、これまでになくざわついているようです。

ゲバゲバね〜。
そうでした、そうでした。
おヒョイさんといえば、当時は真っ黒いもじゃもじゃ頭がトレードマークでしたが、突然白髪頭で登場した時は驚きました。
何もかもが目新しく、ある意味テレビの全盛期だったような気がします。
懐かしい時代が、人が・・
次第に遠ざかって行きますね。
夢子
2017/02/03 12:21

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