胡蝶の夢

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zoom RSS 徒然の記〈梅雨の晴れ間に**〉

<<   作成日時 : 2017/06/30 12:09   >>

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         紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘 (正岡子規) 

 向暑の候。鬱陶しい梅雨空の下、が映える季節です。
 東京も、今年は梅雨入り以降、どんよりとしたグレーの空と、ムシムシとした雨模様の日々が続いています。
 が、の気配もチラホラ。ベランダの洗濯物の隙間を縫って、時折り“夏””の熱気が通り抜けて行きます。
 本番も間近ですね。
 東京は、いよいよ<東京都議選>の火蓋が切って落とされ、只今選挙ムード一色です。
 昨年の”東京夏の陣”に続き、今年は”梅雨の陣”です。
 とはいえ、私自身は外に出ないので、ネットやテレビで知る情報以外はないのですが・・
 思い起こせば、昨年の、電撃的に<小池百合子都知事誕生>以来、メディアでは、<都政>がらみの話題で尽きることなく(毎日のように)ワイドショーで取り上げるようになりました。  以前には、考えられない変化です。
 大都市「東京」は、どうやら都民が好むと好まざるに関わらず、<2020年・東京オリンピック問題>、<築地・豊洲移転問題>・・などの課題山積のようです。
 聞くところによると、今回の選挙の争点は、小池都知事が立ち上げた<都民ファーストの会>が、どこまで票を伸ばして<都連>に寄与するか?はたまた<国政>にまで関与することになるのか?という、一大決戦のようです。
 そしてその選挙戦も、いよいよ終盤。7月2日(日)には、ほぼ一年に及ぶ<小池劇場>を上演してきた都知事の真価が、問われることになります。
 
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 それにしても・・
 最近、世界のあちこちで勃発している<テロ事件>、繰り返される北朝鮮の<ミサイル実験>・・
 戦後久しく「平和慣れ」、「平和ボケ」してきた日本人が、気がつけば、政府が流す<弾道ミサイル落下時のお知らせ>な〜んてCMを見せられ、戦々恐々としているんですからね。物騒な世の中になりました
 まるで余所(よそ)の国の事のようですが、テスト用のアラーム音を聞くと、昔、両親から何度も聞かされた「空襲警報発令」という言葉が、なぜか脳裏をよぎります。
 世界も、国内も、東京も・・色々な意味で変って行きます。
 
 そうそう、将棋の藤井聡太四段(14歳)って・・凄いですね〜。強いですね〜。
 まだ中学生だというのに、前人未到の歴代新記録、<公式戦29連続>というのですから、日本中が歓喜の渦。号外まで出たそうです。
 将棋の事は、まったく分からない私でさえも、彼がずば抜けた「天才児」であることは分かります。
 将棋界の新生の星!日本の宝!将来が楽しみですね。


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 また、女優の野際陽子さん(81歳)が亡くなりました。
 歌舞伎役者、市川海老蔵さんの奥さんで、乳癌で闘病中だった元女子アナの小林麻央さん(34歳)が亡くなりました。
 野際陽子さんと言えば――(以前にも書きましたが)
 昔、彼女がNHK入社当時、初めての給料日に強盗に押し入られ、「200円出せ」と言われ、貰ったばかりの給料袋を出して「千円札しか無いから、おつりは返して」と言ったら、その強盗いわく。「800円あるぐらいなら、強盗になんか入らねえ」と―。
 で、「それもそうね」と納得したという体験談でしたが――
 その強盗とは後日談まであり、まるで「笑い話」のような、人情味あふれる武勇伝?でした。
 ユーモアたっぷりの彼女の話しぶりと、その知的な冷静さ、物おじしない度量の深さに、畏敬の念を込めて喝采したことがありましたっけ・・。
 若くして亡くなられた小林麻央さん共々、ご冥福をお祈りいたします。


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 さて、今回読んだ「本」は、『劇場』(又吉直樹著・新潮社)という小説です。
 一昨年(2015年)『火花』という作品で芥川賞を受賞した、お笑い芸人、又吉直樹クンの第2弾です。
 又吉クンと言えば、あの飄々としたスタイルと、とぼけたような表情で、最近は多方面で活躍しているのを見かけるようになりましたが――
 小さい頃から本好きで、文学好きで、中でも「太宰治」に傾倒していて、愛読書は『人間失格』というのは、知る人ぞ知るところです。平成の無頼派?  だからでしょうか、作品自体も、どことなく昭和の香りが漂っていて、しばしば時代錯誤に陥りそうな感覚も―。

             一番会いたい人に会いに行く。
             こんな当たり前のことが、
             なんでできへんかったんやろな。
                           (帯封より)


 演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った――。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまでもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。(新潮社・解説より)

 ストーリーは――
 主人公の僕(永田)は、中学からの友人(野原)と二人で劇団「おろか」を立ち上げ、脚本家兼演出家を担っています。
 が、現実は、たった数人しか(劇団員が)いない小さな劇団で、やり繰りしながら、金もないのにバイトもせず、ギリギリの生活を送っている、しがない劇団です。
 その上、劇団「おろか」は、世間から酷評され続け、メンバーも徐々に抜けて行く「先細り」の状態です。
 ある日僕(永田)は、街で見たけた女性に声をかけ、女性のほうも、なぜか(警戒しながらも)誘いに乗ってきて、二人で喫茶店へ行くことに。
 女性の名前は沙希と言い、女優志望の夢を持って青森から上京し、現在は、服飾の大学に通っている、ということでした。
 以来、二人は付き合うようになり、金の無い僕(永田)は、沙希のアパートに転がり込む形で同棲を始めます。
 いつまで経っても売れない演劇を続ける僕(永田)と、それを支える沙希。初めは良好だった二人の関係も、時が経つにつれてすれ違いが始まり・・
 とうとう沙希は、身体を壊して郷里に帰ってしまいます。
 お互いに相手を想いやりながら(どちらが悪いと言うこともないのに)、何かが徐々に壊れて行き、最後には「別れ」が・・という、主人公(永田)の心の葛藤が切ない恋愛小説です。
 読み進むうちに引き込まれて行き、特に後半からエンディングにかけては圧巻。思わず胸に込み上げるものがあります。
 いつかは・・と夢見ながら、現実には「ひも」のような生活から抜け出せない鬱々とした僕(永田)に対して、沙希ちゃんは、文句も言わず、いつも明るく振る舞い、居酒屋でバイトをしたり、実家からの仕送りなどで支え続ける、健気(けなげ)な女性です。
 多分沙希ちゃんは、外見も内面も美しい、純粋で優し女性なのでしょう。
 読み終わって、ふと思いました。
 もしかしたら沙希ちゃんは、著者自身(又吉クン)の理想の女性像かも・・と。
 あるいは、「太宰治」に傾倒する著者のことです。
 もしかしたら沙希は、『ヴィヨンの妻』の「さっちゃん」のオマージュではないか?とも。

 いつも思うことですが、文章力の確かさ、語彙の豊富さは、又吉クンならではの魅力の一つです。


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 『火花』が載っている記事1

 『火花』が載っている記事2


 ちょっと異様な映画を観ました。
『アルバート氏の人生』(2012年・ロドリゴ・ガルシア監督)という映画です。
 19世紀のアイルランドを舞台に、性別を偽って生きる、或る女性の苦難の道を 描いたものですが、何の先入観も持たずに観たからでしょうか――
 観始めて暫らく経って、主人公のアルバート氏(グレン・クローズ)が、実は「女性」だったことが分かり、びっくり仰天しました。
 物語は、若くして両親を亡くし、男たちに集団レイプされた経験があるアルバートが、男から身を守るために女性であることを隠し、あるホテルのレストランで、40年も住み込みで働いていました。
 男に変装したアルバート氏は、長年、出来るだけ他人との関わりを持たないように真面目にコツコツと暮らし、周囲からの信頼も厚かったのですが・・
 ある日、泊まり込みで仕事に来たペンキ職人ペイジ(ジャネット・マクティア)と知り合い、彼もまた女性だったこと、しかも、その ペイジ 氏は、ある女性と結婚して「夫婦」として暮らしていることを知り
ます。
 二人は親しくなり、アルバートペイジ に触発されたように、長年計画していた「タバコ店」を開業し、秘かに恋している、同僚でメイドのヘレン(ミア・ワシコウスカ)と「結婚」して、二人で店を営むことを夢見るようになりますが・・
 そのヘレンのほうは、あるイケメンの男性に惹かれ・・結婚してしまいますが・・事態は益々込み入ってきます。
 女性の人権さえ守れなかった時代背景の中で、身も心も男になりきって“自由”を手に入れようとしたアルバートの悲劇。
 彼女の人生は、悲運にも、波乱の果てに”幕”を閉じるというものでした。
 現代にも通じる倒錯感が、怖い映画でした。


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 人生・・と言えば――
 今こうしてパソコンに向かいながら、テレビでは、娘が録画していたドキュメンタリー番組、『青いケシを描く〜入江一子101歳のアトリエ〜』という映像が流れています。 
 女子美術大学出身ということなので、我が家の娘の、大・大・大先輩ということになります。
 なにしろ大正生まれの101歳。作品全体から、彼女の全身から、孤高の香りが漂ってきます。
 腰は曲がっているけれど、まだまだ現役で、大きなカンバスに、エネルギッシュな作品を描いている姿を目の当たりにすると・・
 ん?入江一子?こんな女流画家いたんだ〜、凄いな〜、偉いな〜、素敵だな〜と、今まで知らなかった事を後ろめたく感じながら、作品に見入ってしましました。
 淡々と、ポジティブに「我が道」を生きる、お手本のような女性なのね。

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 冒頭でも書きましたように、先日亡くなった小林麻央さんは、34歳の若さでこの世を去りました。 しかも、まだ幼い二人の愛児(4歳と5歳)児を残して―。
 さぞ無念だったことでしょう。心残りだったことでしょう。
 彼女の死後、同じ病気で闘っている人、夫婦の「ブログ」をそれとなくチェックしていた人々からは、多種多様の反響を呼んでいるようで――
 テレビでも、盛んに生前の「感動秘話」などを取り上げ、話題に事欠きません。
 確かにね、名門の歌舞伎役者の夫と、美男美女の夫婦愛、母親を失くした幼い子供たちの、その無心な姿・・
マスコミ的にも、ビジュアル的にも、すべてがパーフェクトに揃っていますから、クローズアップするだけの価値があるのでしょう。
 が・・が・・意地悪な見方をすれば――
 そんな表舞台に隠れて、毎日もっと地味に苦しみ、もっと地味に生活しながら闘っている多くの患者さんがいるんだろうな〜・・と、ふと格差?のようなものを感じてしまいます。
 因みに、ワタクシ事になりますが――
 私自身の実母も、生後半年の私と、3歳の姉を残して、30歳の時、結核で亡くなりました。
 今では何でもない「結核」も、当時は、「不治の病い」とまで言われていたそうです。
 医療も日進月歩。や、様々な難病や、時代が齎(もたら)す不幸の源泉も、いつか気が付いたら、「そういえば、そんなことも・・」と言える時代がくるのでしょうね。

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 で、「人生について」でした。
 最近、しみじみ思います。
 世の中は不条理に満ち溢れているけれど、人間には、それぞれ生涯に持って生まれた燃焼しなければならない部分があって、それがどんなに短かろうが、長かろうが、終局的には燃焼し尽くして終わるのではないかと―。
 ま、そう思うことによって、「不条理感」も和(やわ)らぐわけです。
 なので麻央さんも、彼女らしく美しく、華やかに人生をまっとうしたのでしょう。
 
 


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 東京は、このところずっと梅雨らしいグレーの空が広がっています。
 ムンムン、ムレムレ、ジメジメ、シトシトのオンパレード。澄みきった青空には、中々お目にかかることが出来ましぇ〜ん。
 で、ブログのタイトルのほうも、ごく素直に<梅雨の晴れ間に>にしたわけですが――
 そう言えば、いつだったか*同じタイトルで書いたことがあるような気がして、調べてみたら・・ありました。今から8年前の梅雨時に―。
 なので、今回は、パート2ということにしました。
 改めて読み返してみると、よくもまあ、これだけ「愚痴る」ことがあったものと、我ながらあきれてしまいました。
 まぁ・・ね。、ソレもこれ。コレもそれ。どちらも同じワタクシメでございますが・・
 あれからもう8年が経つんですね〜。

 余談になりますが――
「狭き門より入れ」という諺(ことわざ)があります。
 
 狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広いからです。そして、そこから入って行く者が多いのです。(新約聖書 マタイの福音書7章13節)

 要するに、楽な道よりも困難な道を選びなさい。そうすれば、大きな報いがありますよ。というものですが――
 クリスチャンでもなんでもないけれど、昔からこの言葉が好きです。
 が・・ではあるのですが・・。
 元々人間がセコイ・・いえ、ちっちゃいワタクシメ、最近は、とみに、敢えて狭い隙間から忍び込もうとしている「間抜けな空き巣」のような気がして――
 滑稽でもあり、バカバカしくもあり。チッ!目の前には、大きな扉が開いているというのにね。
 徒労感、虚脱感、疲労感、無常観・・
 いかん、いかん。また愚痴ってしまいそうです。
 そう言えば・・室内で躓(つまづ)いて転んだ足の痛みのほうは、いつの間にかすっかり完治しましたが・・痺れのほうは相変わらずです。ふ〜。
 あれやこれやで、まだまだ報われそうにはありません。






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 東京夏の陣

 「梅雨の晴れ間に」

 『火花』が載っている記事1

 『火花』が載っている記事2






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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
昔、平家の若い武将は「見るべきほどの事は見つ」と言い切ったそうですが、
生涯を終えようとする時、燃焼しきったと思いたいですね。
ダダさん
2017/06/30 18:53
ダダさん、いつもありがとうございます。
そうですね〜。
確かに、天寿をまっとうした人は勿論のこと、若くして早世した人々は、皆それぞれ(その人なりに)「燃焼され尽くして」生涯を終えたような気がします。
   
自分だけに与えられた命の燃焼度。
 ・・永遠のテーマです。
夢子
2017/07/01 12:58

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